ナラ枯れが北海道に拡大 温暖化で原因虫が越冬可能に!? 生態系への影響懸念
ナラ枯れ、北海道南部に急拡大
ナラ枯れは、カシナガが持ち運ぶ病原菌(以下「ナラ菌」)により、ミズナラや、コナラ、カシワなどのナラ類やシイ・カシ類などの樹木に伝染して枯死します。
「北海道には、ミズナラ、コナラ、カシワの3種類のナラ類が自生しています。森林にあるナラ類の総蓄積は約6000万m3、北海道の森林の約7%を占めます。
ナラ類は、家具材や薪炭材など木材としてのほか、山地災害防止や生物多様性の保全の役割を担っている貴重な森林資源です。
ナラ類を枯死させるナラ枯れが広まってしまえば、北海道の林業や森林生態系に多大な被害が生じかねません」(和田さん)
「北海道には、ミズナラ、コナラ、カシワの3種類のナラ類が自生しています。森林にあるナラ類の総蓄積は約6000万m3、北海道の森林の約7%を占めます。
ナラ類は、家具材や薪炭材など木材としてのほか、山地災害防止や生物多様性の保全の役割を担っている貴重な森林資源です。
ナラ類を枯死させるナラ枯れが広まってしまえば、北海道の林業や森林生態系に多大な被害が生じかねません」(和田さん)
ナラ枯れのメカニズムと影響
次第に北上するナラ枯れ被害
ナラ枯れ拡大と温暖化の関係
ただ、カシナガの幼虫は樹木の内部で越冬することや、雪が積もれば雪による遮熱効果なども考えなくてはなりません」(和田さん)
単純に気温が下がれば、カシナガの生存率も下がるというものではないということです。
単純に気温が下がれば、カシナガの生存率も下がるというものではないということです。
和田さんらのグループは、渡島半島を対象として、樹幹内部の温度がカシナガの幼虫の越冬に適さなくなる日数を気象データから予測し、カシナガが越冬可能な地域を推定する研究を行いました。
「まず、いくつかの調査地で、樹幹に深さ5〜8cm程度の孔(あな)をあけて温度センサーを挿入し、温度を測定しました。カシナガの越冬場所に近い位置の温度になりますが、これに外気温・積雪といった気象データをあわせてモデル化して、気温と積雪をもとに樹幹内温度を推定できるようにしました。
そして、地上高0cmの樹幹内氷点下日数を推定し、カシナガの越冬可能性からナラ枯れのハザードマップを作成しました。2023年のナラ枯れ被害地は、ハザードマップで越冬生存率が50%を超えていますが、実際に春の時点で半数以上のカシナガが生存していました」(和田さん)
「まず、いくつかの調査地で、樹幹に深さ5〜8cm程度の孔(あな)をあけて温度センサーを挿入し、温度を測定しました。カシナガの越冬場所に近い位置の温度になりますが、これに外気温・積雪といった気象データをあわせてモデル化して、気温と積雪をもとに樹幹内温度を推定できるようにしました。
そして、地上高0cmの樹幹内氷点下日数を推定し、カシナガの越冬可能性からナラ枯れのハザードマップを作成しました。2023年のナラ枯れ被害地は、ハザードマップで越冬生存率が50%を超えていますが、実際に春の時点で半数以上のカシナガが生存していました」(和田さん)
近い将来に札幌に到達?
将来、ナラ枯れは北海道内でさらに広まってしまうのでしょうか。
「これまで、北海道では冬季の低温によってカシナガの生存率が下がるため 、ナラ枯れは比較的広まりにくいと考えられてきました。しかし、ハザードマップのように北海道でも越冬生存率が50%以上となる地点があることが示されました。
このまま温暖化が進めば、積雪量がどのように変化するのかにもよりますが道内でカシナガの越冬可能な場所がさらに広くなる可能性が考えられます。
近年、急速にナラ枯れの被害が増えている東北地方を含め、ナラ枯れ被害地域ではカシナガには薬剤でのくん蒸や樹木の焼却などによる駆除、被害を受ける前の予防的な伐採が行われています。しかし、ナラ枯れは一度広まると防除が困難です。
北海道での被害拡大を防ぐためにも、越冬の可能性がある地域で確実な防除を行っていくほか、ナラ枯れが発生していない地域でも、被害地からの飛来を警戒して(太いナラ類や弱っているナラ類など)被害を受けやすい木を事前に伐採して被害リスクを下げるほか、ナラ枯れの監視を強化するなど対策・体制を整えていく必要があると考えています」(和田さん)
「これまで、北海道では冬季の低温によってカシナガの生存率が下がるため 、ナラ枯れは比較的広まりにくいと考えられてきました。しかし、ハザードマップのように北海道でも越冬生存率が50%以上となる地点があることが示されました。
このまま温暖化が進めば、積雪量がどのように変化するのかにもよりますが道内でカシナガの越冬可能な場所がさらに広くなる可能性が考えられます。
近年、急速にナラ枯れの被害が増えている東北地方を含め、ナラ枯れ被害地域ではカシナガには薬剤でのくん蒸や樹木の焼却などによる駆除、被害を受ける前の予防的な伐採が行われています。しかし、ナラ枯れは一度広まると防除が困難です。
北海道での被害拡大を防ぐためにも、越冬の可能性がある地域で確実な防除を行っていくほか、ナラ枯れが発生していない地域でも、被害地からの飛来を警戒して(太いナラ類や弱っているナラ類など)被害を受けやすい木を事前に伐採して被害リスクを下げるほか、ナラ枯れの監視を強化するなど対策・体制を整えていく必要があると考えています」(和田さん)
緯度が高い北海道でナラ枯れが広まることは、豊かな自然が温暖化の影響にさらされている現れの一つなのでしょう。
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参考資料
和田尚之ら「北海道における積雪を考慮したカシノナガキクイムシ越冬可能性の推定」、内田葉子ら「北海道でのナラ枯れ初被害における被害木の特徴」
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