品種によっても変わる？　品種別、りんごをおいしく食べられる時期

りんごは日持ちがする印象が強く、旬やおいしく食べられる時期についてあまり意識することがないのですが。

「りんごも品種によって、それぞれ旬があります。新しい品種がたくさん生まれたこともあり、りんごの収穫時期は8～11月と様々で、おいしく食べられる時期も品種によってそれぞれ違います。

8月20日頃までに収穫される品種は極早生種、9月20日頃までは早生種、10月20日頃までは中生種、10月20日以降は晩生種といいます。

収穫してすぐの時期ならどの品種もおいしいのですが、『賞味期間』(おいしく食べられる期間)は貯蔵性の高さによって変わり、夏場に収穫されるりんごほど短く、秋も深まってから収穫される品種ほど長い傾向にあります。

普通冷蔵(温度0℃・湿度85～90％の業務用冷蔵庫での貯蔵)した場合の賞味期間は、極早生種で2週間ほど、早生種で1ヵ月、中生種で2ヵ月、比較的品種が多い晩生種で3～8ヵ月です。家庭用冷蔵庫では目安が短くなります。

初夏まで販売されているりんごは、有袋(ゆうたい)栽培など特別な栽培方法や、CA貯蔵(冷蔵庫内を低酸素・高二酸化炭素条件に保ち、りんごの呼吸量を大幅に低下させる方法)などを用いた、長期間おいしく食べてもらうための“工夫の結晶”といえるものなのです。

主な品種別の『りんごをおいしく食べられる時期』と特徴は、次のとおりです」(りんご研究所)

▼夏緑〈極早生種〉
・収穫時期／8月上旬
・おいしい時期／8月上～下旬　
・特徴／収穫後すぐに冷蔵したものは3週間程度、常温で10日程度。やや酸っぱく、8月下旬頃のものが最もおいしいとされる

▼恋空(あおり16)〈極早生種〉
・収穫時期／8月中旬
・おいしい時期／8月中(冷蔵で2週間)
・特徴／果実は少し小玉だが、濃紅色に着色し、甘く食味が良い

▼つがる〈早生種〉
・収穫時期／9月上～中旬
・おいしい時期／9月上～下旬
・特徴／常温で2週間、普通冷蔵で1ヵ月程度保存。弱い酸が甘味を引き立て、肉質良好で多汁。糖度12～13.5%

▼トキ〈中生種〉
・収穫時期／9月下旬〜10月上旬
・おいしい時期／普通冷蔵で2ヵ月
・特徴／糖度が高く(14度以上)、多汁で甘く香りも良い。主な輸出先の台湾で人気品種

▼星の金貨〈晩生種〉
・収穫時期／10月下旬
・おいしい時期／10月下旬～6月末
・特徴／貯蔵性に優れており普通冷蔵で8ヵ月半程度の保存が可能。食感が良く、甘くて果汁が豊富。糖度15～16％程度、酸度0.3％程度。皮が薄く丸かじりにも最適

▼王林〈晩生種〉
・収穫時期／10月下旬
・おいしい時期／10月下旬～6月頃
・特徴／貯蔵性が高く、甘くてジューシーで香りもよい。ふじ、つがるに次ぐ生産量を誇る

▼無袋ふじ〈晩生種〉
・収穫時期／11月上旬〜中旬
・おいしい時期／11月〜翌年3月
・特徴／無袋で栽培したふじ。蜜が多く入り、甘さと酸味のバランスが良く食味は大変優れている。日本を代表する品種。4月以降はCA貯蔵した有袋ふじが出回る

▼有袋ふじ〈晩生種〉
・収穫時期／10月末～11月上旬
・おいしい時期／4月上旬～7月頃
・特徴／ふじに袋を掛けて栽培し、主にCA冷蔵で保存され、翌年4月頃から出荷。無袋ふじよりやや弱いものの甘みは強く、食味は優れている

りんごの旬は品種の違いや保存方法によって大きく異なることがよくわかりました。早生〜中生種のおいしい時期は過ぎましたが、晩生種はいま頃が旬です。

この先も多彩な晩生種から味わいを比べ、好みの品種を選んでみてはいかがでしょうか。
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