観測史上最も暑い夏、猛暑の影響で高騰する野菜が続出？　9月の野菜予報

暑さに負けない野菜はあるのでしょうか。

「ナスは暑さに強いので9月はずっと安いでしょう。8月中旬のような安さにはなりませんが、まだまだ作型(さくがた)が夏秋タイプのものが出るので、お値打ち価格でずっと安定します。

また、キャベツが今はとても安いですが、9月も安定でしょう。高温障害を受けているところもあるので9月のどこかで失速しますが、今より多少上がっても高値にはなりません。家計を圧迫するようなことはないでしょう」(秋葉社長)

今、厳しくても回復を期待したいのがレタスです。

「レタスは、雨と高温で溶けたような状態になってしまって、品質が悪くなることが続いています。そのため9月は中旬くらいまで高めに推移しますが、その後は回復に向かい、中旬〜後半にかけてのタイミングで2段階でよくなりそうです。

例えば今は298円のものでも、まず150～180円ぐらいまで下がり、その後さらに120～130円くらいに下がる予想です」(秋葉社長)

旬のおいしさをお手頃価格で楽しめそうな野菜もあります。

「カボチャがいいですね。カボチャは原産地が暑いところなので、暑さにはある程度強いです。そして9月は北海道からミヤコ系のカボチャが出ます。

カボチャの品種でミヤコ系は、栗のようにホクホクしているのが特長ですが、寒さに弱く貯蔵に向かないので出回りが限られます。9月中においしさを楽しんで下さい。

果物ではブドウの出来がよく、流通量も多いです。一部の地域で高温の被害などがあるようですが、今の主産地である山梨は高冷地なのでよく育ちました。

6月に低温の期間があったのもちょうど生育によく、その後、日照時間がしっかりあり気温が高いことで糖度が高くなっています。おいしい上に値段は例年より2〜3割安め、ものによってはもっと安くなります」(秋葉社長)

葉物野菜やタマネギなどが厳しい予想となっています。

「ホウレンソウは厳しいですね。葉物野菜で暑さに比較的強いのはコマツナです。ただ、9月は学校が始まって給食需要もあり、ある程度は上がるでしょう。

ブロッコリーも、高温の影響をかなり受けて、今1株200円超えになっています。

タマネギは、9月の間は大玉のものを中心に少なくなっています。これは7月に産地の北海道が高温になった影響で、小さい芽のときにやられて、玉が十分大きくならなかったのです。

ダイコンは高温と雨不足で悪くなっています。産地が20〜25℃で土の中の温度も生育に理想的になるのですが、35℃や40℃は暑過ぎです。9月は秋ダイコンもまだなので、安くはならないでしょう。

もうひとつ、『サンマが高い年はダイコンが安い』『サンマが安いとダイコンが高い』という“方程式”があります。近年は崩れつつあるのですが、今年はサンマがまあまあの豊漁でダイコンが高くなる予想です」(秋葉社長)

すでに高値となっているトマトやキュウリなどは、今後どのように推移しそうでしょうか。

「トマトはずっと高値が続いている状態です。暑さで高温障害が出たのと、夏秋タイプのものが前倒しで出てしまっていて、ここから先も増えることがないので、9月はずっと高値でしょう。

キュウリは暑さから需要が高い一方で出荷が失速状態なために、9月半ばまでは高い状態が続くでしょう。今の主な産地は福島など東北ですが、9月半ばから群馬などに変わって流通量も増えるので、中旬以降に下がってきそうです」(秋葉社長)

食欲の秋、というには厳しい暑さが続いていますが、おいしい野菜をたくさん食べて元気に過ごしたいですね。
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