大雨時の避難行動に地域差 非常持出袋の所持率は昨年より5ポイント減少

2025-09-01 13:05 ウェザーニュース

シェアする
x_shareline_share
copy_share
シェアする
x_shareline_share
copy_share
今年の夏も、停滞する前線や台風の影響で局地的に強雨や大雨となり、緊急安全確保や避難指示などが日本各地で発令されました。8月に鹿児島県や熊本県に大雨特別警報が発表され、大規模な浸水や河川の氾濫が発生したことも記憶に新しいかもしれません。

非常持出袋や避難方法の確認などといった、日頃の備えがまさにいま試されるタイミングで、9月1日の防災の日(関東大震災から102年)を迎えています。

そこで、大雨災害時における避難行動の実態や、非常持出袋の備えがどのようになっているのか、ウェザーニュースでは「減災調査2025.09」を実施しました。

■ 調査項目 ■
1.大雨時の避難行動
2.非常持出袋の所持率

1.大雨時の避難行動

避難行動は大きく分けて、「水平避難」、「垂直避難」、「その場に留まる」の3種類があります。それぞれ

・「水平避難」とは、指定避難所や安全な地域など、危険区域から離れた場所に移動すること
・「垂直避難」とは、建物の上層階(2階以上)などなるべく高いところに移動すること
・「その場に留まる」とは、避難情報が発表されても、無理にその場から移動しないこと

を意味します。

「大雨により浸水や洪水のおそれが高まった時(避難指示が出た時など、災害発生前)、まずどの避難方法を検討しますか?」という調査をしたところ、一番回答が多かったのは「その場に留まる」で46.6%、「垂直避難」が37.6%、「水平避難」は13.0%という結果になりました。

自宅の立地や建物構造で選択が変化

エリア別で見てみると、「その場に留まる」と回答した割合が最も高かったのは沖縄で、7割に迫る人数が回答しています。これは毎年のように台風が接近し、自宅や地域で雨風に対する備えが十分にされているからではないかと考えられます。

3つの避難方法の中で唯一家から移動する避難方法である「水平避難」については、割合が高い順に北陸(20%)、東北・北海道・四国(17%)、甲信・中国(16%)と並び、関東、東海、近畿は10%前半となりました。

水平避難をまず選択する人の理由をみてみると、平家住宅やマンションの1階に住んでいる、木造建築で耐久性に不安などといった「住居構造要因」、川沿いや海抜0m地域に住んでいるなど「地理的・地形的要因」のものが多くみられました。

やむを得ず家に留まる人も

「垂直避難」や「その場に留まる」を選択した人の理由には、マンションや家の2階以上に住んでいるといった住居構造要因や、高台にあったり河川から遠いため、自宅の浸水リスクが低く安全と理解した上で留まるといったものが多く挙げられています。

一方、「ペットを連れて避難所に行けないから」「高齢の家族を連れていけないから」「過去、避難所が満員で入れなかった」といった理由からその場に留まることを選択するとの意見もありました。命を守るためにも、自分や家族の状況に合わせて避難計画を前もって立てておくことや、そのような事情の方でも避難できる様な仕組みづくりや、地域防災計画の策定が必要だと言えそうです。
最後に「その他」と回答した人の理由をみてみると、「まず情報収集をして、その後決める」「周りの状況を見て判断する」といった意見が多く届きました。テレビや防災サイト、アプリなどを上手に活用して、自治体からの情報も参考に、避難が必要か判断してください。また逃げ遅れてしまわないように、危険を感じた時は速やかに避難をしてください。

「安全な場所がわからない/どうやって避難すれば良いかわからない」といった声も複数届いていました。これを機に自宅周辺のハザードマップや避難所までの経路を確認することから始めてみてはどうでしょうか。その周辺を散歩してみるだけでも、意識が変わるかもしれません。
マイ防災タイムラインをアプリで使うマイ防災タイムライン

2.非常持出袋の所持率

非常持出袋の所持について聞いたところ、「持っている」が45.3%、「持っていない」が54.7%という結果となりました。

都道府県別で所持率を見ると、唯一6割を超えているのが山梨県で、69%という高い割合となっています。また、「持っている」の割合が50%を超えているのは、能登半島地震があった石川県のほか、南海トラフ地震防災対策推進地域である東海や紀伊半島、西日本の太平洋側に集中しています。

これは、南海トラフ巨大地震や富士山の噴火を想定した避難訓練などがこれらの地域で定期的・継続的に実施されていることが、非常持ち出し袋の所持率の増加につながっている可能性があります。

一方、北日本や山陰、九州北部では非常持ち出し袋の所持率の低いところが多くなっています。

昨年よりも全体の所持率は減少

昨年9月に実施した減災調査2024(日頃の備え)での同様の調査では、「持っている」割合が50.8%だったため、この1年間では約5ポイントほど減少する結果となりました。
関連記事「減災調査2024結果(2024年9月実施)」
エリアごとの変化を見てみても、沖縄を除いた各エリアで非常持ち出し袋の所持率は減少していました。都道府県別では所持率が増加したところもありましたが、全体的に見ると所持率はほとんどのエリアで減少していました。

段階的に揃えていったという意見も

「持っている」と回答した人は、準備するきっかけとしては「東日本大震災」が一番多く、続いて阪神淡路大震災、熊本地震、能登半島地震などが続いています。多くの人が過去の災害体験や報道をきっかけに準備を始めたことが分かりました。

一方で、「準備はしているが中身の確認不足/食品の賞味期限切れ」「家族全員分が揃っていない」「重量過多で実際に持ち出せるか不安」といった課題に関するコメントもありました。

「持っていない」と回答した人は、「準備しなければと思いつつ先延ばし」「何を入れればよいかわからない」といった意見が多く挙がりました。また、「自宅避難が前提なので、持ち出し袋を準備しない」「キャンプ道具で代用」「車に積んである」といった声もありました。

持ち出し袋を準備をしている人でも、「最初は自治体・町内会からの配布された簡易的なものから始めて、徐々に充実させていった」といった経験談も寄せられています。一度に全部揃えるのが大変と感じる場合は、まずは必要と感じるものから非常持出袋の中身を整えていくというように、段階的に準備するのも備えのための一歩になります。
関連記事「非常用持ち出し袋のチェックリスト 避難の前に確認を」

日頃の備えの見直しを

非常持出袋を持っている人もそうでない人も、防災の日をきっかけに日頃の備えを見直すことが防災・減災の意識の向上にも繋がります。今後も一緒に防災・減災の意識を高めていきましょう。

ウェザーニュースでは、今後も過去の災害の教訓を伝え、次の防災・減災に繋げる取り組みを続けてまいります。
関連「防災減災ハンドブック」
天気アプリで災害に備える

「減災調査2025.09」(防災の日)
対象:スマホアプリ「ウェザーニュース」利用者
期間:2025年8月24日〜26日
人数:設問1 9,343人 設問2 9,121人
シェアする
x_shareline_share
copy_share

お天気ニュース

各エリアの天気予報

アクセスランキング

アメダスランキング

気温

降水量

降雪量

湿度

  • 順位

    地点

    観測値

    ()

    ()

    ()

    ()

    ()

    ()

警報・注意報の履歴

お天気ニュース

ウェザーニュース公式SNS
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_facebook.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_x.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_line.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_youtube.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_insta.webp
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_tiktok.svg