
10年で繰り返した震度7 令和8年熊本地震
減災コラム
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目次
<地震の概要>
7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方を震源とするM7.1の地震がありました。宇城市と氷川町では震度7、八代市、宇土市、宇城市、熊本市南区などで震度6強の非常に強い揺れに見舞われ、熊本地方を中心に家屋の倒壊が相次ぎました。 8月6日現在の同県災害対策本部のまとめでは、関連調査中を含め死者38人、負傷者146人、家屋被害15,697棟などの被害が出ています。死者数では令和に入ってから2番目の多さです。震源の深さが16kmと浅い場所で起きたいわゆる直下型地震でした。
<日奈久断層が活動>
地震の原因について、政府の地震調査研究推進本部は熊本県下を走る日奈久断層の一部が活動した可能性を発表しました。岩盤が破壊された領域は、北は嘉島町付近から南は八代市の平野部にかけての少なくとも30㎞程度と推定されます。余震はさらにその南の芦北町の沖合に達していて、岩盤破壊はより長い領域に及んでいる可能性もあります。 日奈久断層は10年前の熊本地震でも北部の一部が活動したものとみられますが、この時は主な活動がさらに北を走る布田川断層だったため、多くの日奈久断層区間は破壊されませんでした。前回の地震から10年がたち、残った区間の岩盤が破壊されたのです。

<被害の特徴>
死者の多くは建物などの倒壊によるものです。また、報道でも繰り返し映像が流された嘉島町の商業施設の爆発も大きな被害となりました。最も死者が多いのは八代市(20人)で、家屋倒壊、製紙工場における煙突の倒壊が主な原因です。 10年前の地震では断層破壊が熊本市に近かったため、同市内でも家屋倒壊による死者が出ましたが、今回はより南側のエリアの被害が大きくなっています。また、10年前の熊本地震は直接死50人のうち10人が阿蘇地方の土砂崩れによるものでした。今回は強い揺れに見舞われたのは主に平地で、土砂災害による死者は出ていません。
<今後の注意点>
28日の地震後、余震が相次いでいます。最大余震は28日17時08分頃に起きたM6.1の地震で、震度1以上だけでも6日までに561回発生し、うち震度5弱が5回でした。2016年の熊本地震は極めて活発な地震活動となり、4月14日~4月30日の半月余りで約3,000回もの有感地震がありました。それに比べると今回の余震は少ないといえますが、これは10年前の地震が周辺(阿蘇地方や大分県)にも波及し、広域で地震活動があったためです。 8月7日現在、余震は順調に減っていますが、2005年3月の福岡県西方沖の地震(M7.0)はちょうど1か月後、2018年9月の北海道胆振東部地震(M6.7)では約5か月後に最大余震が発生しており、確率は低いですが、当面は強い余震に警戒が必要です。

また、比較的長期間の視点では、日奈久断層の残りの区間(日奈久区間の南部から八代海区間)への拡大が懸念されます。八代海区間ではもともと30年以内の発生確率が最大で16%と見積もられていて、国内の活断層の中でもかなり高い場所です。 今回、10年を経て隣接する活断層が動いたことから、まだ壊れていない部分については長期間にわたって注意が必要です。
執筆 ウェザーニューズ 山口剛央
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