
冬季の地震被害
減災コラム
冬季に地震が発生した場合、被害に特徴があるのかを探ってみたいと思います。
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目次
暖房機器による火災
冬季は暖房機器が稼働しています。地震動で暖房機器が転倒すると、安全装置で自動消火する機種もありますが、出火原因になりやすくなります。大きな揺れに見舞われているときは、必ずしも初期消火を確実にできるとは限りません。また、少雪地域では空気が乾燥しているため、延焼しやすくなります。
参考までに、中央防災会議でまとめられた都心南部直下地震の被害想定によると、地震により火災が発生した場合の焼失棟数は、夏の昼の場合は約5,400棟、冬の夕方の場合は約151,000棟となっています(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、静岡県を対象、風速3m/sを想定)。
低体温症の発症
暖房機器が火災の原因になり得る点を述べましたが、見方を変えれば「被災後に暖房が使えなくなる」ことも大きな問題です。冬季は避難後の気温低下が健康に影響します。避難した後、屋外にいる状況が続けば、体温が奪われて低体温症を発症する可能性が高まります。
また、屋内であっても暖房機器が機能しなければ、発症リスクは高まります。津波や降水で体が濡れたままになれば、さらにそのリスクは高まります。
積雪・凍結による影響
多雪地域では積雪があり、少雪地域でも凍結が発生している可能性があります。このため、冬季は避難に時間がかかりやすくなります。同様に救助にも時間がかかり、救える命を失うことにもつながります。
このほか、発災後は復旧に向けた作業が始まりますが、積雪が復旧作業を阻むケースもあります。路面状況の悪化に加え、落雪や雪崩、積雪による屋根荷重の増加などにより、地震動で家屋の倒壊が誘発されるリスクもあります。
今回は冬季の地震被害について想定してみました。季節や地域によって、被害の様相が変わることが分かります。地震は季節や地域を限って発生するものではありません。今、私たちにできることは何か、日頃から考えておく必要がありますね。
出典:中央防災会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ 報告書(https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg_02/index.html)
執筆 ウェザーニューズ 宇野沢達也
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