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春のズキズキ頭痛が多いのは、天気の影響? 頭痛のタイプに合わせた対策が重要

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2025/03/28 05:10 ウェザーニュース

ここ最近は、初夏のような暖かさになったかと思えば、冬のような寒さに逆戻りするなど、季節が行きつ戻りつしています。

急激な天気の変化とともに、ズキズキ頭痛に悩まされることはないでしょうか。頭が締め付けられるようにつらい、後頭部がピリピリするなど、春は天気痛による頭痛が増えやすいときでもあるといいます。

ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生に教えていただきましょう。

頭が痛いのは天気のせい!?

「季節の変わり目は、天気痛に悩まされるという人が増える時期です。頭痛は天気痛の代表的な症状です」(佐藤先生)

天気痛とは、気圧や気温、湿度など天気の変化にともなって頭痛などのつらい症状が起きるものです。

「天気痛の頭痛で多いのは片頭痛タイプと緊張型頭痛タイプです。

片頭痛タイプは、こめかみのあたりがズキズキしたり、ドクドク脈打つように痛むのが特徴です。

天気痛の大きな原因は気圧の変化を内耳にある“気圧センサー”で感知して、そのストレスが脳に伝わり自律神経が刺激されることにあります。脳に伝わったストレスにより、三叉神経が興奮して、痛み物質が放出され、血管が急激に拡張することで頭痛が引き起こされると考えられています。

頭痛に吐き気をともなったり、頭痛が起きる数時間〜数日前に生あくびや眠気などが現れることも多いです」(佐藤先生)

緊張型頭痛タイプは、一般的に首や肩、背中の筋肉の緊張が関わっています。

「緊張で硬くなった筋肉が血管を圧迫することで血行が悪くなり、乳酸などの老廃物(ろうはいぶつ)が溜まって神経を刺激し、痛みが起こります。

頭が重くなったり、頭全体が締め付けられるように痛みます。目の疲れや倦怠感(けんたいかん)をともなうこともあります」(佐藤先生)

春に注意が必要な理由とは

なぜ、春先に天気痛の頭痛が起きやすくなるのでしょうか。

「朝晩など寒さが残る春先のこの時季は、冷えによって筋肉が収縮し血流が悪くなりやすいのです。

また、季節の変わり目は天気が安定しないことも多く、1日のなかでも気温や気圧などが変化しやすいものです。特に、今春は季節外れの暖かさと冬が戻ったかのような寒さが繰り返し、体への負担が大きくなっています。

さらに、春は入学や異動など変化の多いときで、気づかぬうちにストレスを溜めがちです。花粉症の影響で寝不足になったり、睡眠の質が低下していることも多いでしょう。

そこへ天気の変化が引き金となり、頭痛を引き起こしてしまうのです」(佐藤先生)

天気痛の症状は肩こりや腰痛、めまい、耳鳴り、だるさ、軽いうつ症状など様々です。人によって頭痛とともに起きていることもあります。

防ぐにはタイミングが大事

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天気痛による頭痛持ちだとわかったら、早めの対策でできるだけつらい痛みを防ぎましょう。

「天気痛の人は天気の変化を察知して症状となりますが、予兆があることが多いです。頭痛を抑えるには、このときに対策をとることです。

天気で頭痛が起きることを自覚したら、頭痛が出たときの天気や、自分の体の状態、症状の現れ方などメモしておくとよいでしょう。特に吐き気や生あくび、眠気、めまいなどの予兆を把握すること。

予兆が現れたら、くるくる耳マッサージで内耳周り血行をよくすることで、自律神経の乱れを防ぎ頭痛を防いだり抑えたりすることができます。

痛み止めの薬も、痛みが出るか出ないかのタイミングで服用します(※)。痛みを我慢すると、神経が敏感になって薬が効きにくくなり、かえって服用量が増えてしまう恐れがあります」(佐藤先生)

※何らかの疾患で医師から処方を受けている場合は主治医に相談します

頭痛が出たらタイプに合わせた対策を

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痛みがあらわれてしまったら、それぞれの頭痛のタイプに合わせて対策することです。

「緊張性頭痛が起きたときは、温めると楽になります。長時間同じ姿勢を続けない、ストレッチなどで筋肉をほぐす、湯船に使ってリラックスするといった対策も有効です」(佐藤先生)

片頭痛の場合はどうでしょうか。

「片頭痛が起きたら、頭を冷やすのが原則です。頭痛があるときの運動、入浴、マッサージ、飲酒は悪化させてしまうので避けましょう。

寒暖差が刺激となることもあるので、寒いところから温かいところへの移動の際は、ストールなどで温度差を緩和するようにすると良いでしょう」(佐藤先生)

両方の頭痛対策として、日常的に運動、規則正しい睡眠、バランスのよい食事など心がけることも大切だといいます。

「頭痛は重篤(じゅうとく)な病気のシグナルであることも忘れないでください。急に今までにないような痛みを感じたら、脳出血などの可能性もあるので、自己判断しないで病院を受診しましょう。つらい頭痛を繰り返すときも専門医に相談しましょう」(佐藤先生)

この時季の頭痛は、「天気痛予報」と組み合わせ、少しでもつらい思いをしないで済むよう対策しましょう。
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