Q1/「脱炭素」「脱炭素化」は「カーボンニュートラル」と同じ意味なの?
◆A/英語の『decarbonization』の訳ですが、やや曖昧な言葉です。
「『脱炭素』と『脱炭素化』は、英語の『decarbonization(デカーボナイゼーション)』の訳です。
『カーボンニュートラル』や『排出正味ゼロ』と同様の状態(人為的な二酸化炭素の排出量と吸収量が同じという状態)を意味することもありますが、人間活動による二酸化炭素の排出をゼロに向けて減らす取り組み全般を指す場合もあります。
文字どおりにとれば、二酸化炭素を対象にした言葉ですが、文脈によっては、二酸化炭素以外の温室効果ガスを含む意味でも使われます。
そうして考えると、『脱炭素』と『脱炭素化』は、やや曖昧な言葉といえます」(江守さん)
「『脱炭素』と『脱炭素化』は、英語の『decarbonization(デカーボナイゼーション)』の訳です。
『カーボンニュートラル』や『排出正味ゼロ』と同様の状態(人為的な二酸化炭素の排出量と吸収量が同じという状態)を意味することもありますが、人間活動による二酸化炭素の排出をゼロに向けて減らす取り組み全般を指す場合もあります。
文字どおりにとれば、二酸化炭素を対象にした言葉ですが、文脈によっては、二酸化炭素以外の温室効果ガスを含む意味でも使われます。
そうして考えると、『脱炭素』と『脱炭素化』は、やや曖昧な言葉といえます」(江守さん)
Q2/「カーボンネガティブ」と「カーボンポジティブ」が同じ意味って、本当?
◆A/「ネガティブ」と「ポジティブ」は反意語ですが、本当です。
「カーボンネガティブは『二酸化炭素の排出量より二酸化炭素を吸収・除去する量が多い状態』です。【排出量-吸収量=マイナス】になるので、つまりカーボンがマイナスの状態なので、カーボンネガティブといいます。
ただ、『ネガティブ』には『否定的な』などの意味もあるため、別の言い方をしたほうがよいのではないか、脱炭素社会のためにはカーボンネガティブはよいこと、カーボンネガティブはポジティブなことだ、という考え方が出てきたようです。
そして、『カーボンポジティブ』という言葉が使われるようになって、『カーボンネガティブ=カーボンポジティブ』ということになってしまいました」(江守さん)
「カーボンネガティブは『二酸化炭素の排出量より二酸化炭素を吸収・除去する量が多い状態』です。【排出量-吸収量=マイナス】になるので、つまりカーボンがマイナスの状態なので、カーボンネガティブといいます。
ただ、『ネガティブ』には『否定的な』などの意味もあるため、別の言い方をしたほうがよいのではないか、脱炭素社会のためにはカーボンネガティブはよいこと、カーボンネガティブはポジティブなことだ、という考え方が出てきたようです。
そして、『カーボンポジティブ』という言葉が使われるようになって、『カーボンネガティブ=カーボンポジティブ』ということになってしまいました」(江守さん)

「同一の主体(たとえば企業)が、両方の言葉を同じ意味で使うことはなく、どちらか一方を使います。どちらを使うかは、おそらく好みの問題、もしくは付き合いのあるグループ内での慣例等の問題になるかと思います。
これらの言葉を聞いたときには、常に意味を確認した方がよいでしょう」(江守さん)
「ネガティブ」と「ポジティブ」は反意語なのに、「カーボンネガティブ」と「カーボンポジティブ」が同じ意味とは、ちょっと変な感じもしますね。
このように誤解を招きやすい用語や、専門用語に注意して、気候変動問題を正しく理解することが重要です。
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。
» 【気候変動特集】ウェザーニュースと考える地球の未来
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監修/江守正多 東京大学 未来ビジョン研究センター 教授(@seitaemori)
これらの言葉を聞いたときには、常に意味を確認した方がよいでしょう」(江守さん)
「ネガティブ」と「ポジティブ」は反意語なのに、「カーボンネガティブ」と「カーボンポジティブ」が同じ意味とは、ちょっと変な感じもしますね。
このように誤解を招きやすい用語や、専門用語に注意して、気候変動問題を正しく理解することが重要です。
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監修/江守正多 東京大学 未来ビジョン研究センター 教授(@seitaemori)