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山林火災の大船渡 気象衛星からも煙を確認 東北太平洋側は少雨続く

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2025/02/27 11:00 ウェザーニュース

岩手県大船渡市では大規模な山林火災の延焼が続いています。昨日26日(水)には、新たに発生した火災によるものとみられる煙が、気象衛星ひまわりからも確認されました。

東北太平洋側では少雨による乾燥が続いていて、次に降水が期待出来るのは来週4日(火)頃になる見通しです。
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過去30日間の降水量は平年比−92%

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2月は二度の寒波により冬型の気圧配置が長く続きました。冬型の気圧配置の際には東北地方の太平洋側は雪や雨があまり降りません。大船渡市の過去30日間の降水量は3.5mmで、平年比8%にとどまっています。この影響で大船渡市には18日(火)から乾燥注意報が継続して発表されています。

気象衛星画像のアニメーションを見ると、昨日26日(水)14時頃から太平洋を東に流れる煙が確認できます。新たに発生した火災によるものと考えられます。
※動画が見られない場合はウェザーニュースの元記事からご覧ください
» ひまわり9号衛星雲画像

この先も1週間程度、東北太平洋側は高気圧に覆われるためまとまった降水が予想されず、空気の乾燥した状況が続く見通しです。火災の発生や延焼に注意が必要です。風の強い日はよりいっそう注意するようにしてください。
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環境・気候観測にも影響が

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気象庁 報道発表資料より
気象庁では国際的な環境・気候観測の枠組みの中で、二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの継続的な観測を、大船渡市綾里(りょうり)と南鳥島の国内2地点(※)で行っています。ただ、綾里の観測所の近くで山林火災が発生している影響で、21日(金)から観測休止となっています。

温室効果ガスは人間活動による局地的な上昇もあるため、都市部ではなく影響が少ない綾里にて観測が行われています。今回は火災により局地的にガスの組成が大幅に変化している状況とみられます。日本の本土での観測は綾里が唯一のため、欠測が長引くとデータ品質への影響も考えられ、気候変動についての分析・研究にも影響が及ぶかもしれません。
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※与那国島での観測は昨年をもって終了となっています