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【天気痛調査2023】
台風接近時は天気痛ありの8割以上が発症、1割は天気痛予備軍

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2023/06/08 13:00 ウェザーニュース

天気痛が生活にもたらす影響やこれからの時期に気になる台風や天気などについて調査しました。

7.天気痛持ちの4人に1人が生活に支障あり

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天気痛の症状による生活への影響度合いを調査するため、「痛みが一番ひどい時はどのくらいですか?」と質問し、「痛いがガマンできる程度」「少し休む程度」「仕事・学校を半日休む程度」「仕事・学校を1日休む程度」から選択していただきました。

回答を集計した結果、天気痛持ちの4人に1人が「仕事・学校を半日休む程度」や「仕事・学校を1日休む程度」と回答し、天気痛の症状が日常生活に支障をきたしていることがわかりました。

また、「少し休む程度」を含めると、6割以上の方が我慢できないほどの症状があることがわかります。

女性は3人に1人が我慢できない痛さ、一番仕事に支障が出てるのは30代女子

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性別、年代別に見てみると、女性の3人に1人は学校・仕事を休むなど天気痛の症状によって生活に支障があり、またそれが最も顕著なのは30代女性であることがわかりました。

<天気痛ドクターの佐藤医師より>
20代後半〜30代がガンガンする頭痛のピークです。それ以降は症状がめまいや立ちくらみ、眠気などに変化してくるのに伴って、男女共に症状を我慢できる割合が増加してきます。少し休む程度以上の痛みは、何か大きな病気が隠れている可能性もあるため、医師への相談を検討してください。

8.天気痛は7 割近くが雨や曇りの日に発症

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天気痛が発症する気象条件を調査するため、「天気痛が起こるのはどんな日が多いですか?」と質問し、「雨の日」「曇りの日」「晴れの日」「あまり関係ない」から選択していただきました。

回答を集計した結果、7 割近くの方が「雨の日」や「曇りの日」に発症していることがわかりました。

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女性は雨よりも曇りの日が多い傾向

性別で比較してみると、男性は「雨の日」に発症する方が一番多い一方で、女性はあまり関係ないと回答した方が最も多く、「雨の日」よりも「曇りの日」に発症する方が多いという結果になりました。

<ウェザーニュース天気痛予報担当:大塚気象予報士より>
女性の方が降雨をもたらす低気圧の接近前に届く微細な気圧変動を敏感に感じている可能性があり、雨が降り出す前から症状が出やすい傾向があると言います。一方、男性は、2の症状の種類に関する設問で「関節痛」という回答が女性より上位となっていることから、雨による湿度上昇で関節痛が発生し、雨の日に症状を訴える方が多くなると考えられます。

9.一番気にしているのは「気圧」 約8割が症状に関係ありと認識

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天気とともに痛みを引き起こす気象要素について調べるために、「あなたの天気痛には何が一番関係していると思いますか?」と質問し、「天気」「気圧」「湿度」「気温」「風」 から選択していただきました。

回答を集計した結果、8割以上の方が「気圧」と回答し、「気圧」の変化によって、天気痛を発症する方が多いことがわかりました。「気圧」に次いで多かったのが「天気」、「気温」、「湿度」となりました。

10.台風接近時は天気痛ありの8割以上、天気痛なしでも1 割近くが体の不調を経験(天気痛予備軍)

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気圧が大きく変化する台風時には、普段あまり天気痛の症状が出ない方でも身体の不調を感じることがあります。

天気痛調査に回答してくださった方全員に、台風時の症状について「台風が接近する時に体の不調を感じたことがありますか?」と質問し、「ある」「多少ある」「ない」から選択していただきました。

回答を集計した結果、天気痛持ちの方とそうでない方では結果が大きくわかれました。

天気痛持ちの方は台風の接近に伴い、約9割近くの方が不調を感じることがあると回答しています。また、普段は天気痛持ちではない方の中でも1割近くの方が、台風の接近に伴い不調を感じる経験をしていました。

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台風の影響と大きく関係

都道府県ごとの傾向を見てみると、台風接近時に不調を感じたことがある方の割合は、台風の接近・上陸が多い太平洋側で多い傾向が見られました。

台風接近・上陸の頻度が多いほど、大きな気圧低下にさらされる機会が多いため、不調を感じる方の割合も高くなったと考えられます。

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台風や低気圧の接近中は要注意

さらに、痛みを感じるタイミングについて質問すると、最も多かったのが台風や低気圧の「接近中」という回答で、5割〜7割の方が該当しました。次に多かったのが「接近前」という回答で、30代以上の女性は4割以上の方が該当しました。

この結果は、8の質問で天気痛が起こる日の天気について質問した結果、女性は天気に「あまり関係ない」と回答した方が多く、「雨の日」よりも「曇りの日」に症状が出る方が多かったのとも一致します。

<ウェザーニュース天気痛予報担当:大塚気象予報士より>
この結果の要因として、台風の積乱雲が発生させる微細な気圧変動の影響が考えられます。台風の積乱雲は微細な気圧変動(微気圧変動)を発生させており、これが台風の移動速度より速いスピードで遠くに伝播します。このような微細な気圧変動を敏感に感じ取る人は、台風の接近に伴う本格的な気圧低下の前から天気痛の症状が出やすい傾向があると考えられます。

梅雨から台風の季節へ

6月8日(木)までに関東甲信から沖縄にかけて梅雨入りし、天気痛持ちの方としてはツラい季節が始まっています。また、南海上には台風3号も発生していますが、梅雨が明けると、今後は本格的な台風の季節となります。

今後もウェザーニュースの天気痛予報を参考に、事前に天気や気圧の変化をチェックしておくなど対策が欠かせません。引き続きご自身の症状と比較しながら体調管理に気を付けてお過ごしください。
» 天気痛アラームとメモを活用してみよう
ウェザーニューズでは本調査結果を活用し、天気痛の理解促進を目指すとともに、天気痛への対策や症状緩和へ役立てていただくため、天気痛予報のさらなる精度改善と、個々の症状に合わせたよりパーソナルな予報の実現に努めてまいります。

◆佐藤 純(さとうじゅん)医師



医師/医学博士
愛知医科大学痛みセンター客員教授、中部大学生命健康科学部教授
パスカル・ユニバース(株)代表


◆ 大塚 靖子(おおつか やすこ)気象予報士



株式会社ウェザーニューズ 予報センター
気象予報士
日本生気象学会理事
天気痛予報を担当し、佐藤医師と共に「天気痛予報」を開発
ユーザーからの天気痛の症状報告を分析し、予報の評価や改善を担う