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【台風】風の威力に注意 風速と被害の目安は?

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2018/10/03 13:11 ウェザーニュース

台風が接近するとよく聞かれる平均風速・瞬間風速・最大瞬間風速。それぞれが示す意味の違いや、風速と被害の目安をご紹介します。

平均風速、瞬間風速、最大瞬間風速の違い

風は一定の速さで吹いているものではなく、あるときは強く、あるときは弱く、刻々とその速さが変化しています。そういう風速の小刻みな変化を「風の息」と呼んでいます。

風速を表す次の言葉には、以下のような違いがあります。

 風速:10分間の平均風速
 瞬間風速:3秒間の平均風速
 最大瞬間風速:瞬間風速の最大値

単に「風速」という場合、10分間の平均風速を表していることになり、最大瞬間風速は、3秒間の平均風速を表した「瞬間風速」の一番大きい値ということになります。

風速と被害の目安

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その風速でどのような現象が起こるのでしょうか。風速と被害の目安は一般的に次の通りです(気象庁「風の強さと吹き方」より)。

【平均風速10m/s以上15m/s未満】(やや強い風)
風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める。樋(とい)が揺れ始める。

【平均風速15m/s以上20m/s未満】(強い風)
風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。高所での作業は極めて危険。電線が鳴り始める。看板やトタン板が外れ始める。高速運転中の車では、横風に流される感覚が大きくなる。屋根瓦・葺材がはがれるものがある。雨戸やシャッターが揺れる。

【平均風速20m/s以上】(非常に強い風)
何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれがある。細い木の幹が折れ、根の張っていない木が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く。車は通常の速度で運転するのが困難になる。屋根瓦・葺材が飛散するものがある。

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2015年8月 熊本駅付近にて
【平均風速30m/s以上】(猛烈な風)
屋外での行動は極めて危険。走行中のトラックが横転する。

【平均風速35m/s以上】(猛烈な風)
多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック塀で倒壊するものがある。建物の外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある。

【平均風速40m/s以上】(猛烈な風)
住家で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある。

窓ガラスが割れたり電柱が倒れる

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「危険半円」と呼ばれる進路の右側では、特に風が強まりやすく、暴風に対する備えをしっかりと行う必要があります。

2015年9月に台風21号が通過した沖縄県与那国町では、風速54.6m/s、最大瞬間風速81.1m/sを記録しました。猛烈な風雨で、窓ガラスが割れる、電柱や街路樹が倒れる、トタン屋根が吹き飛ぶなどの被害が報告されました。
この記録的な暴風を観測したときも、与那国町は台風の中心のすぐ右側に位置していました。

台風の影響を受ける地域では、ベランダに置いたものを部屋に収納する、窓ガラスが割れても破片が飛び散らないように、内側からガムテープで貼るなど厳重な警戒が必要です。

また、気象情報などで強風が予想される場合には、外出など屋外での行動は控えるとともに、車の運転もできるだけ避けるようにしてください。

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