予報精度No.1を支える
3つのポイント

1 日本中を網羅する観測ネットワーク

日本最大の気象観測網と、全国のウェザーリポーターとの
気象情報を通じたネットワークを活用して予報を改善

天気予報の精度は、予報を計算する上でデータの“多さ”が重要な要素となります。“いまの空”の情報がなるべく“多く”揃うことが、天気予報を当てる方程式です。

ウェザーニュースは、独自観測機や気象庁が設置している約1,300地点のアメダスなどを合わせて、全国に約1.3万地点の気象観測網を備えています。
また、ウェザーニュースアプリのユーザーにも小型気象観測機を3.5万台配付、2024年3月からは小型ライブカメラ(ソラカメ™)の配付を開始し、設置・観測にも協力いただいています。

“いまの空”を知る術は観測データだけではありません。ユーザーからは現地の天気の報告や写真(ウェザーリポート)がリアルタイムに届きます。予報センターでは随時リポートを確認し、刻々と変化する雲の発達具合から雨の前兆を捉えたり、冠水・浸水など雨による影響を捉えるなど、ビッグデータを活用しながら詳細な実況把握を行っています。

これら日本最大の気象観測ネットワークを通じて、提供した天気予報に対して現地からのフィードバックを得るなど、予報の改善に生かす仕組みが整っています。

2 複数の予測モデル+AI解析で
予測アルゴリズムを最適化

高度なIT技術と気象技術のコラボレーション

現在の天気予報は、気象予測モデル(数値予報モデル)と呼ばれる、コンピューターによるシミュレーションの結果をもとに行われています。この予報のベースとなる気象予測モデルは、日本の気象庁をはじめ、世界の気象機関が独自に持っていることから複数存在しており、モデルごとに観測データや地形データのほか、計算処理の仕方が異なるため、出力される天気のシミュレーション結果にも違いが出ます。

ウェザーニュースの場合は、日本の気象庁・ヨーロッパ・アメリカ・韓国・ドイツなど世界各国の気象機関の予測モデルに加え、独自に開発した気象予測モデルの計算結果も取り入れて、各モデルのシミュレーション結果を評価し、より最適化したものを最終的に予報のベースとして使用しています。

それぞれのモデルには、例えばゲリラ雷雨・低気圧通過・梅雨前線などその日の天気のパターンによって得意不得意があります。各モデルの評価には、気象のエキスパートの知見を盛り込んだ独自のAI技術を活用しています。ウェザーニュース独自のIT技術と気象技術のコラボレーションにより、最善の選択ができるよう努めています。

そして、上記1の観測ネットワークで把握した観測データや現地の天気報告を用いて、ウェザーニュースの予報が最適だったかを日々評価し、よりよい予報を出せるようにチューニングを行っています。これを繰り返していくことにより、天気のパターンごとに独自の天気予報を出すアルゴリズムを最適化し続けています。

3 “1km四方”という超高密度な天気予報の発表

ゲリラ雷雨など従来困難だった局地的な現象の予報が飛躍的に向上

この独自のアルゴリズムで発表される天気予報は、1km四方という非常に高い解像度の予報として発表されます。従来運用されてきた予測モデル(最詳で5km四方)と比較すると、メッシュ数は25倍、計算するデータ量としては1,800倍となります。また、解像度の高さだけではなく、地域特性をアルゴリズムに取り入れています。

この超高密度な天気予報により、毎日の天気予報の精度向上だけでなく、従来の予測モデルでは困難だった現象や地域の予報がより正確に行えるようになっています。

例えば、ゲリラ雷雨のような局地的に短時間の集中豪雨をもたらす現象では、雨雲の大きさは数〜十数kmと影響範囲が狭いため、従来の予報範囲では予報センターの意図が充分に予報に反映しきれませんでした。1km四方に解像度が上がることにより、小さくても激しい雨をもたらす雨雲を予報に反映できるようになりました。また、詳細な標高差も予報に反映できるようになり、夏場の熱中症情報・冬季は雨雪の判定など、これまで以上に正確な気温の予報を元に情報が発表できるようになっています。