ウェザーニュースアプリからのたくさんのご応募
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過去最多となる4.4万通以上の中から選ばれた
入賞作品を発表します。

最優秀賞殿堂入りエリア賞空のテーマ賞ウェザーニューズ賞

最優秀賞

TaTTsuN ReBORNさん(北海道)

スケールの大きさと豊かさは、さすが北海道ですね。撮影地は羊牧場でしょうか、牧草地で夕陽の逆光を浴びた一本桜を、小さくとも見事に浮かび上がらせています。画面の手前を暗く、奥へ段々と明るく表現した奥行き感がとても美しい。その明暗のみならず、色彩表現も素晴らしく、この作品を見る者に作者と同じ体験をさせてくれるのです。当初、画面全体のトーンが暗く、桜も小さく写るだけに見え、この作品を見過ごしていました。しかし、その渋さの中にキラリと光る桜の表現という玄人好みの作品に心奪われました。スケールの大きさに情緒感をプラスした秀作です。

殿堂入り

目崎(めざき)さん(新潟県)

北極星を中心に廻る星の光跡を、2時間かけて撮影する努力に脱帽します。その間、晴れの天気が続いた運も作者に味方しましたね。桜の満開日とのタイミングも素晴らしい。桜への明かりは一般的な照明設備でしょうか。作者が行ったのであれば、大変な作業だと敬服します。青い夜空に浮かび上がる主役の桜の白淡紅色、土手の草の緑も鮮やかに表現されて、画面の美しさを盛り上げています。そして画面右下に、ほんの少しだけ街の明かりを入れ込んで、夜空のスケールを表現しているのがとても心憎い。演出写真的でありながら、自然風景作品として完成されています。

エリア賞

【北日本】

はやぶさ こまち16号🚅さん(宮城県)

宮城県・柴田町の船岡城址公園から見た、白石川堤の「一目千本桜」。一見、誰もが写せそうな定番写真に思えるのですがそうではありません。薄晴れの天候を選んだのが正解でした。左方から射す太陽の光線が、画面内のすべての事物を浮き立たせています。作品は左斜め上から下へ、手前の黄色い連翹、紅の桃、灰色の道路上には白色のSUV車、黒い電線、紅しだれ桜、茶色の線路、その上を走る列車。そして、主役の染井吉野桜、さらに青空を反射する白石川、対岸の草の緑と、実に美しく色の重なりを表現しています。百点満点の作品で、文句のつけようがありません。撮り鉄ファンでなくとも、拍手を送りたい。

【関東】

ふみちょーさん(千葉県)

成田国際空港そばの成田山公園は、飛行機を撮る定番スポット。春は350本あるいは500本ともいわれる桜樹と飛行機を組み合わせられるので人気があります。そのため、たくさんの写真が発表されていますが、その中で、この作品が気を吐いて自己主張しているのは、地面スレスレのローアングルから見上げた視点が功を奏しています。淡青色の空を背景に、左右の桜並木群がスケール感豊かに表現されており、その空間に旅客機が飛び上がっていく様子が上手く表現されています。また、見物に訪れた人々が、点景として写し込まれているのも、画面に楽しい雰囲気を与えるアクセントとなっています。右下の黒く四角い石造りのものは一見すると不用な部分ですが、なぜかあまり気になりません。不思議ですがこれも愛嬌ですね。

【北陸・信越】

Risingさん(富山県)

当初、この作品を見た時、主要テーマの桜が白飛び(露光オーバー)し過ぎていたので、候補から外していました。ですが、他の桜名所の観光写真風や類似作品が多い中で、名所でありながら作者の心がこもった作品に出会ったと思うに至りました。春うららの朝の光に満ちた道を、犬を連れた男女二人が散歩する、実にほのぼのとした気持ちがこの作品から溢れ出ています。私の心までもうれしい気分にさせてくれました。「ありがとう」と感謝の言葉をお伝えいたします。画面に戻ると、二人の人物がボケていながら、黒い服なので露光に溶け込んでいないのが巧みな描写です。そして、右方の黄色い水仙が、やわらかな気分をさらに盛り上げています。

【東海・山梨】

にしどんさん(静岡県)

「牛代(うしんしろ)の水目(みずめ)桜」として有名なエドヒガン桜は、樹齢300年の長寿桜として知られています。たくさんの人々が茶畑とのコラボレーション美の写真を発表されています。桜の満開時に行けば、誰もが簡単に写せるロケーションなのですが、早朝でしょうか、人がいなくて霞が一面にかかる天候を作品にした作者の努力は大賞賛に値します。白く淡く消えていくコントラストの中に、ほんのり残る桜色と、それを下支えする茶畑の緑色。日本の春の抒情風景を完成させた、言うこと無しの秀作です。このような状況で私も写してみたいと、心から思いました。

【近畿】

兵庫県姫路市の空さん(兵庫県)

姫路城の桜風景として、絵葉書のように完璧な写真です。誰もが一度は写してみたい構図をスバリと表現しています。コントラストの強くない、すなわちピーカン状態の天気ではなく薄晴れの、そう「源氏物語」に「春の日のうららかにさして行く舟は」のイメージを、内堀を行く観光和船で具現化しています。この日時に、この場所でカメラを構えれば誰もが写せるアングルと思われがちですが、地面スレスレの定位置から狙った力量を私は褒めたい。だからこそ、池面に映る桜も舟も美しいのです。そして、最大の美点は、朱色の城見橋上に人物がいないことです。現代という現実感を抑え、はるか古(いにしえ)にタイムスリップしたかのようです。

【中四国】

きな粉がダイスケさん(岡山県)

「尾所(おそ)の山桜」は樹齢が580年とか。その長寿は驚愕すべき事例で、県内外から数多くの人々が花見に訪れ、たくさんの写真が発表されています。夜であっても人物が写り込む可能性があるのでしょうか、桜樹の根本をカットし、桜を前景に大きく、中景に暗い山影を、そして夜空に光り輝く満天の星と北斗七星を構図にして、スケール感のある雄大な夜桜写真を完成させています。画面全体をブルー系のトーンで統一しているのも、ドラマ性を盛り上げていて、作品を見る者の心を捉えて離さない。見事な手腕に感服です。

【九州沖縄】

あきらんさん(熊本県)

阿蘇キャンプ場で撮影されたのでしょうか。主役に満開の八重紅しだれ桜、菜の花、そして夜空に天の川を配した構図が雄大な風景写真を完成させています。そこへ3個の流星の光跡を写り込ませて、ドラマ性を盛り上げた手腕はお見事です。ISO感度を上げて撮影せざるを得なかったシチュエーションなので、画面全体にノイズ感があらわれて、作品としての仕上がりが荒れてきている点は少々残念ですが、各々の要素の色彩は美しいと感じます。付け加えて申し上げると、桜と菜の花へのライティングは、この場所にセッティングされていたのでしょうか。それとも作者が光を当てたのでしょうか。後者だとすれば、的確な照明に拍手を惜しみません。

空のテーマ賞

ウェザーニューズ賞

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