台風7号は日本海を北上 北日本の沿岸部は強風に注意
2023/08/16 16:43 ウェザーニュース
昨日15日(火)、近畿地方を通過した台風7号(ラン)は、今日16日(水)15時現在、日本海を北北東に進んでいます。
このあとは日本海を北海道の北へ進むと見られ、道北など北日本の日本海側を中心に強い風や高波に注意が必要です。
▼台風7号 8月16日(水)15時現在
中心位置 日本海
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 北北東 30 km/h
中心気圧 990 hPa
最大風速 20 m/s
最大瞬間風速 30 m/s
» 最新の台風情報
台風は今後も日本海を北上する見込みです。
陸地からは比較的離れて通る可能性が高いため、北日本の広範囲で荒れた天気になることはないとみられます。
それでも東北や北海道の沿岸部では風が強まり、瞬間的には25m/s前後の強風が吹く見込みです。
また、台風に向かって流れ込む湿った空気の影響で、太平洋側では一時的に雨の強まるところがあるので、注意をしてください。
今日は東北日本海側ではフェーン現象が発生し猛暑となるため、熱中症にもお気をつけください。
引き続き土砂災害の発生に注意
台風は日本海に抜けたものの、湿った空気が流れ込みやすく、北陸や東海、近畿北部では局地的に激しい雨の降っているところがあります。岐阜県郡上市の長滝では6時21分までの1時間に41.0mmの雨を観測しました。静岡県静岡市周辺にも発達した雨雲が流れ込み土砂降りの雨が降っている状況です。
また、台風の通過前から大雨となっていた紀伊半島や山陰では、土の中には多量の水分が含まれた状態となっています。今朝7時までの48時間雨量は、三重県大台町の宮川では690.0mm、奈良県下北山村では577.5mmを観測。山陰でも雨量が非常に多くなっていて、鳥取県鳥取市の佐治では519.5mmとなるなど、観測史上1位の記録を更新する大雨となりました。
大雨のピークは越えているものの、今日も一時的に雨の強まることがある見込みです。これまでの大雨で地盤が緩んでいるため、土砂災害の発生しやすい状況が続く見通しです。しばらくは急な斜面や増水した河川などに近づかないようにしてください。
» 30時間先までの雨雲レーダー
山陰で雨量増加 大阪など都市部も局地的な激しい雨
午後にかけて台風の北上に伴い、紀伊半島の雨は峠を越える見込みです。
一方で、山陰や近畿北部など日本海に近い地域では、台風の中心が日本海に抜ける夜にかけて断続的に激しい雨が降り、雨量がさらに増加するとみられます。今後24時間で局地的には200~300mmの雨が降る見込みです。記録的な大雨となるおそれがありますので、土砂災害や河川の増水、氾濫などに厳重な警戒が必要です。
大阪市など関西エリアの大都市は台風の最接近後の午後も、南西から吹き込む湿った風の影響で局地的に激しい雨の降る可能性がありますので、今日いっぱいは大規模な冠水や中小河川の急な増水などに警戒をしてください。
» 30時間先までの雨雲レーダー
陸地からはやや離れて北上
台風は今後も日本海を北上する見込みです。陸地からは比較的離れて通る可能性が高いため、北日本の広範囲で荒れた天気になることはないとみられます。
それでも東北や北海道の沿岸部では風が強まり、瞬間的には25m/s前後の強風が吹く見込みです。また、台風に向かって流れ込む湿った空気の影響で、太平洋側では一時的に雨の強まるところがあるので注意をしてください。
» ピンポイント天気予報
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。
これらのメンバーを比較すると、誤差の範囲が次第に小さくなってきたことがわかります。ほとんどのメンバーが東海〜四国東部の周辺に接近・上陸することを示唆しています。ただ、まだ予測には幅がある状況ですので、様々な可能性を排除せずに対策を考えておく必要があります。
進路次第で各地への影響は大きく変わってきますが、どの進路を通ったとしても国内のどこかでお盆休みの期間中に影響が大きくなることはほぼ確実といえます。次第に予想も確度が高まってくる見通しですので、今後の情報に注意してください。
台風の暴風域に入る確率
120時間以内に台風の暴風域に入る確率が25%以上である府県予報区
富山県 26 %
石川県 54 %
福井県 89 %
岐阜県 64 %
愛知県 42 %
三重県 100 %
滋賀県 94 %
京都府 95 %
大阪府 99 %
兵庫県 96 %
奈良県 100 %
和歌山県 100 %
鳥取県 35 %
岡山県 35 %
徳島県 74 %
香川県 51 %
高知県 25 %
日本海沿岸を中心に高波に注意
台風が北上する日本海側を中心に波が高くなります。今日昼の時点では山陰から北陸の広い範囲で2m前後が予想され、一部では3m前後に達する見込みです。
午後にかけては北日本の沿岸部でも次第に波が高くなりますので、注意をしてください。
また、太平洋側も南寄りの風が強く、東海から関東、北日本にかけての広い範囲で2m前後の波が予想されています。台風が離れても海のレジャーは十分な注意が必要です。
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台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風7号の名前「ラン(Lan)」はアメリカが提案した名称で、「嵐」を意味するマーシャル語(北西太平洋のマーシャル諸島のことば)からとられています。
» レーダー台風モード
動画:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)