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今年のゲリラ雷雨 総発生回数は5.7万回予想 ピークは8月中旬〜9月上旬

ウェザーニュース発表 ゲリラ雷雨傾向2023
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2023/07/06 11:55 ウェザーニュース

突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ雷雨」に対し、事前対策への意識を高め被害軽減につなげるため、「ゲリラ雷雨傾向2023」を発表しました。

今シーズンのゲリラ雷雨の発生数はおよそ5.7万回発生する予想で、昨年よりも発生回数が少なくなる見込みです。8月中旬から9月上旬が発生のピークとなる見通しです。

全国の総発生回数は約5.7万回

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今年の発生回数
2023年7〜9月のゲリラ雷雨は、全国でおよそ5.7万回発生する予想です。全国の発生総数が7.5万回だった昨年よりもやや少なくなり、過去5年平均と比べるとほぼ同数となる見込みです。

都道府県別にみると、昨年の半分〜昨年並みの回数となるところが多くなっています。

東京都では680回(昨年比0.7倍/例年比0.8倍)、愛知県では790回(昨年比0.5倍/例年比0.7倍)、大阪府では240回(昨年比0.4倍/例年比0.6倍)となる予想です。

北陸西部や西日本日本海側では発生回数が昨年の半分以下となるところもありそうです。

今年はゲリラ雷雨の発生回数が少ない予想ですが、一度ゲリラ雷雨が発生すると、激しい雨による冠水や浸水、落雷による停電や交通機関への影響など様々な被害が懸念されます。油断せずに随時最新の雨情報をご確認ください。

8月中旬から9月上旬にかけて多く発生

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雷雨発生傾向
ゲリラ雷雨は、気温の上昇や太平洋高気圧周辺の湿った空気が流れ込むことで、大気の状態が不安定になる時に発生しやすい現象です。今シーズンのゲリラ雷雨は、8月中旬から9月上旬にかけて発生しやすい見込みです。

9月上旬にかけて日本付近は高気圧に覆われて晴れる日が多くなります。太平洋側や内陸部では湿った空気の影響や、地表面の昇温の影響を受けて、ゲリラ雷雨が発生しやすくなります。日差しが届いていても、天気の急変に注意が必要です。

9月中旬以降は秋雨前線や台風の影響を受けて、突発的かつ局地的なゲリラ雷雨の発生は徐々に減少していき、ゲリラ雷雨のシーズンも終息に向かう見通しです。

気温の上昇と湿った空気の影響で発生するパターン

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今シーズンは、日本付近は広く太平洋高気圧に覆われ、晴れて気温が上がりやすくなる見通しです。

このため、気温の上昇と南から流れ込む湿った空気の影響でゲリラ雷雨が発生するパターンが多くなり、特に太平洋側や内陸部でゲリラ雷雨が発生しやすくなる予想です。
>>1時間毎のゲリラ雷雨予測
※1 「ゲリラ雷雨」について
ウェザーニューズでは「局地的大雨」を指す言葉として「ゲリラ雷雨」という言葉を使用しています。一般あるいはメディアでよく使用されている「ゲリラ豪雨」と同義です。

※2 ゲリラ雷雨”発生回数の求め方
「ゲリラ雷雨」をもたらす雨雲・雷雲は 突発的 かつ 局地的 に発達するのが特徴で、予測が難しいとされてきました。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300 か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられたザーザー以上の降雨報告(* 注3)と、その時の気象データの分析結果から、ユーザーがゲリラ雷雨と感じる雨の時間変化の基準値(表1)を求め、求めた基準値をもとにゲリラ雷雨をカウントしています。
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※3 降雨報告について
スマホアプリ「ウェザーニュース」を通し、“ポツポツ”、“パラパラ”、“サー”、“ザーザー”、“ゴォーー”の5段階で報告されます。