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台風3号と台風2号を比較
進路は前回より内回り 微妙な南北で影響に差

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2023/06/08 15:12 ウェザーニュース

台風3号(グチョル)はフィリピンの東でゆっくりと発達しています。

先月末から今月はじめに日本列島に接近した台風2号に似た進路の傾向が予想されていますが、詳しく見るといくつか違った特徴があることがわかります。

台風3号と台風2号を比較して解説します。
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進路を決める高気圧に違い

台風2号と台風3号はともに、日本の南にある太平洋高気圧の南側で発生し、太平洋高気圧の縁に沿って、はじめは北西に、その後は北東に移動する進路となっています。

台風3号の予想進路図と台風2号の経路を比較すると、台風3号は台風2号よりもかなり北西の場所で発生したこと、そして東側に小回りの進路が予想されていることがわかります。

このため、沖縄では前回の台風2号と比べると台風3号の影響は小さくなる見込みです。
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この進路の違いは太平洋高気圧の位置と勢力が関係しています。台風2号のときの方が高気圧か西に張り出していたため、高気圧が北上をブロックして台風が西回りになったといえそうです。

高気圧の張り出しが強かったのは、先月の台風2号がより南の海上から猛烈な勢力に発達して進んできたことも関係しています。台風が強いほど上昇気流が強いため、そのぶん隣の高気圧での下降気流も強まり、高気圧としての勢力が強まるという仕組みです。
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北上してくるのは足早

台風2号では北緯20度付近から伊豆諸島付近に達するまでに4日半程度かかりましたが、今回の台風3号は2日半ほどで北上してくる見通しです。これは台風3号のほうがコースが内回りで距離が短いだけでなく、上空の偏西風の影響を受けやすいことも影響しています。

秋の台風ほどの素早さではないとはいえ、足早に北上してくるため油断はできません。

コースの微妙な南北の違いで本州への影響に差

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台風3号の進路予想は台風2号よりも内回りとはいえ、伊豆諸島付近では台風2号とほぼ同じ位置を通過することが予想されています。

台風3号の進路予想の精度は比較的高いものの、それでも南北には数百kmの誤差が存在し、多少のずれによって沖縄の大東島地方や伊豆諸島・小笠原諸島、本州方面などへの影響が大きく変わってきそうです。

もしもコースが北寄りになった場合には、台風2号の時と似た気圧配置になり、梅雨前線や上空の気圧の谷との相互作用で12日(月)〜13日(火)頃に本州付近でも降水量が多くなることが考えられます。一方、コースが南寄りになった場合にはさほど影響がないまま日本の東へ通過することが考えられます。

日が経つにつれてこの誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。
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