大型の台風2号は今夜、沖縄本島を直撃
本州は梅雨前線が活発になり大雨
2023/06/01 15:55 ウェザーニュース
6月1日(木)16時、大型の台風2号(マーワー)は那覇市の南西の海上を北北東に進んでいると推定されます。風速25m/s以上の暴風域はなくなりました。これから今夜遅くにかけて、沖縄本島付近を通過する見込みです。
沖縄本島や奄美地方はこれから風雨のピークを迎えるとみられますので、暴風や大雨、高波、高潮などに警戒が必要です。
▼台風2号 6月1日(木)16時推定
中心位置 那覇市の南西約190km
大きさ階級 大型
強さ階級 //
移動 北北東 15 km/h
中心気圧 975 hPa
最大風速 25 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 35 m/s
>>最新の台風情報
暴風や大雨、高波、高潮に警戒を
1日(木)夜の雨雲の予想
台風の中心の東側や北側に活発な雨雲が分布していて、沖縄本島や奄美地方で雨が強まっています。台風の接近に伴って次々に活発な雨雲が通過し、短時間に激しい雨を降らせる見込みです。
暴風域はなくなったものの、風は強い状況が続いていて、瞬間的には30m/s前後の暴風に見舞われています。
大雨や暴風、高波は今夜をピークに明日2日(金)にかけて継続するとみられます。風雨が強い時は無理な外出をせず、安全な所で過ごすようにしてください。
週末以降は速度の誤差拡大
この図の1つ1つの丸は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。
紫色で示した6月1日(木)までは、丸のばらつきが比較的小さく、進路の確実性が高いと考えられます。ただ、黄色で示した2日(金)になると北東方向へのばらつきが現れ、水色で示した3日(土)はそれがさらに拡大する状況です。
4日(日)以降の予報円が大きくなっているのは、主に速度の違いを表していると考えられます。引き続き最新の台風情報をご確認ください。
明日は梅雨前線周辺で雨雲が発達
2日(金)午後の雨雲の予想
明日2日(金)にかけて上空の気圧の谷が近づく影響で、梅雨前線が北上し、台風周辺の湿った空気が流れ込むことで活動が活発になります。
局地的には1時間に50mmを超えるような非常に激しい雨の降る可能性があり、夜にかけて雨量が増加し、総雨量は西日本、東日本の各地で100mm以上となる予想です。特に四国や紀伊半島、東海では雨量が多く、局地的に300mm以上に達するとみられます。
短時間の激しい雨による道路冠水や、総雨量の増加による土砂災害、河川の増水などのおそれがありますので、警戒が必要です。
>>ピンポイント週間天気予報
予報円の大きさは「強さ」や「大きさ」とは関係ない
今回の台風では進路図に破線の円で示された「予報円」が大変大きいことが特徴です。5日先にかけて、気象庁の台風予報の中では5段階の最大の大きさ(Cランク)となっています。
この予報円の大きさは、台風の強さや大きさを示しているのではなく、進路の不確実さの度合いを表しています。
気象庁の現在の定義では、予報円は台風の中心が70%の確率で入ると予想される範囲を示していますので、この円が小さいと予報の信頼度が高い、この円が大きいと予報の信頼度が低いと読み取ることが出来ます。
台風情報を正確に理解して、適切な防災行動・避難行動をとれるようにしましょう。
台風の暴風域に入る確率
120時間以内に台風の暴風域に入る確率は以下の通りです。(気象庁)
鹿児島県(奄美地方除く 3 %
種子島・屋久島地方 3 %
奄美地方 89 %
沖縄本島地方 99 %
本島北部・中南部 99 %
慶良間・粟国諸島 98 %
久米島 92 %
大東島地方 52 %
宮古島地方 100 %
八重山地方 48 %
石垣島地方 48 %
>>雨雲レーダー台風モード
台風の発生が増え始める時期
今年は4月に台風1号が発生していて、台風の発生はおよそ1か月ぶりとなりました。
5月の台風発生数の平年値は1.0個で、12月と同じくらいの水準です。発生数ピークの8月に向けて台風の発生が増え始める時期ですので、早めに台風対策を整えておくと良さそうです。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風2号の名前「マーワー(Mawar)」はマレーシアが提案した名称で、マレー語の「ばら」を意味する語からとられています。
>>最新の台風情報
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。
これらのメンバーを比較すると、沖縄付近で北東に進路を変えて、日本の南の海上を進むコースで比較的揃っています。ただ、日本の沿岸に近いところを通るのか、日本から離れた南の海上を進むのかという違いはみられます。
また、速度に関しては大きな差があり、早いものと遅いものでは、日本の南を通過するタイミングが数日程度違う状況です。速度の違いにより沖縄での影響期間や、本州付近で雨が強まるタイミングが変わってきますので、引き続き最新の情報をこまめにご確認ください。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)