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冬にかけても精度は高水準 2022年ウェザーニュース天気予報精度

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2023/01/06 14:45 ウェザーニュース

季節は冬になり、天気予報では「冬型の気圧配置」という言葉をよく聞くようになりました。この先は他の季節と違い、関東など太平洋側では晴れる日が多く、日本海側では雨や雪の日が多くなります。

冬は同じような天気分布の日が続きますが、日本海側でも雨や雪の降る範囲は日によって違い、そこを的確に予想するのは難しいものです。

2022年の1月〜12月にかけて、ウェザーニュースの予報精度がどうなったのか見ていきます。

年間を通して高い精度 気象庁より高水準

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ウェザーニュースの降水捕捉率による予報精度は、月ごとに多少のバラつきはあるものの、1月から12月まで大きくは変わっていません。2022年12月も94%と高い精度となりました。

また、2022年を通して気象庁よりも常に高い値となっていて、気象庁の精度が大幅に低下してしまった期間中でも、雨が降るかどうかについて、精度の高い天気予報を発表できていたことがわかります。
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また、ウェザーニュースでは適中率という別の指標でも精度評価を行っています。適中率とは、雨が降らない日には降らないと予報をしていた割合も加えたトータルの予報精度を表すものです。

これは降水捕捉率を意図的に高めるために、雨に偏った天気予報を発表していないかを確かめる指標にもなります。

2022年の月ごとの推移を見ると適中率も高い水準の月が多く、雨に偏った天気予報でないことがわかります。また、気象庁と比較しても、ほぼ同等またはそれよりも高い値の月が多い結果となりました。

高い精度の根本にある"現地からの天気報告"

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ウェザーニュースが高い精度で予報を発表できるのには、いくつかの理由があります。

まず、ウェザーリポーターと呼ばれる全国のスマートフォンアプリ利用者から届く、どこよりもきめ細やかな天気報告を、天気予報の予測システムに取り入れていることです。天気の予報を作るうえで非常に大切な要素となる"今の天気"を、"今その場所にいる"ウェザーリポーターからの報告を反映できるからこそ、正確な情報をベースにして予報を作ることができるのです。

その正確な"現地の天気報告"と、独自のAIシステムを掛け合わせ、さらに精度を高めています。例えば、雨や雪が降るか降らないかギリギリのところの予報に対しては、季節特性や気象現象別に機会学習させたモデルに、"現地の天気報告"を融合させたシステムを構築しました。

さらにそこへ気象の専門家のノウハウも加えたロジックを使って予報を組み立てることにより、精度の高い天気予報を作っています。

>>【予報精度向上への取り組み】予報のはずれを感じたらこちらへ報告

冬にかけての予報精度を振り返って

降水の有無を予測するうえで、雨(雪)雲から降水が始まり地上に到達するかどうかが大切になります。

寒候期になると暖候期と比べ降水強度が弱くなるため、地上に到達できないものが増えてきます。予測は独自予測モデルをはじめ、気象庁、欧米のモデルなどを利用し判断していますが、特に寒候期は強度が強すぎたり、逆に弱すぎたりと予測モデルでのバラつきが大きくなってきます。モデルの予測結果が正しいかどうかは、実際に地上で降水の有無を確認する必要があります。

そこで大切になってくるのは日々送られてくる天気リポートです。天気リポートとモデルの計算結果を比較することで、地上での降水強度が把握でき、高い精度の予測を可能にしていると言えます。

これからも多くの天気リポートに支えられながら、高い精度の予報を提供し、みなさんにお返しができるように努力し続けます。

>>〔関連記事〕2023年1月~3月 ウェザーニュース 天気予報精度

【宇野沢 達也】
ウェザーニュース予報センター 気象予報士。千葉県旭市出身 自治体防災担当職員から転職し入社30年目。予報精度改善チームで予報業務および精度検証・改善を行っている。

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参考資料など

降水捕捉率 検証方法説明(気象庁ホームページ) https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/kensho/explanation.html
気象庁 天気予報検証結果 https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/kensho/score_f.html