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阿蘇山で本日噴火が発生 噴煙は2000m程度まで上昇か

2021/10/15 11:23 ウェザーニュース

今日10月14日(木)4時43分、熊本県の阿蘇山で噴火が発生しました。気象庁の観測では、天候不良のため噴煙の状況は不明とされていますが、ウェザーニューズが独自に設置している気象レーダー(WITHレーダー)による観測では、阿蘇山方面で噴煙とみられるエコーが火口上2000m程度まで上がった様子が観測されていました。

阿蘇山では通常時から白色の噴煙が立ちのぼる状況が続いていますが、気象庁の定義による噴火が観測されたのは2020年6月15日以来で約16か月ぶりです。
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衛星画像や監視カメラでは噴煙を確認出来ず

ウェザーニューズ独自レーダーによる観測画像
※動画が見られない場合は、オリジナル記事よりご覧ください

今朝の噴火が発生した当時、阿蘇山の山頂付近は雲に覆われていたため、噴煙の状況は監視カメラや衛星画像では確認が出来ませんでした。

ウェザーニューズでは気象観測用の小型レーダーを全国に設置していて、このうち熊本県阿蘇市に設置したレーダーでは、4時47分頃から阿蘇山周辺にエコーが映り始め、鉛直断面画像では火口上2000m程度にまでエコーが昇っている様子がわかります。

阿蘇山周辺で降灰も

気象庁の現地調査や聞き取り調査によると、熊本県、大分県、宮崎県の一部で、阿蘇山からのものとみられる降灰が確認されたとのことです。

2016年の噴火の際は、ウェザーニューズのレーダーで1万1000m程度の高さにまで噴煙が上ったことが確認され、ウェザーニューズのユーザー調査による降灰は九州だけでなく四国でも確認されていました。

昨日 噴火警戒レベル2に引き上げ

気象庁は昨日13日(水)に、火山性微動の振幅が大きくなっているとして、阿蘇山の噴火警戒レベルをレベル1(活火山であることに留意)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げていました。

火山性微動とは、火山体またはその周辺で発生する震動で、火山性地震よりも継続時間の長いものです。地下のマグマや火山ガス、熱水などの流体の移動や振動が原因と考えられるものや、微小な地震が続けて発生したことによると考えられるものがあり、火山活動が活発化した時や火山が噴火した際に多く観測されます。

気象庁によると、今朝の噴火以降は火山性微動の振幅は小さくなったとのことです。今後の火山活動の状況変化に注意してください。
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