なぜ、都市部で花粉症にかかっている人の割合が高いのか?

体に最も大きな影響を与えるとされるのはスギ花粉です。ところがスギの人工林の面積が少ないはずの都会のほうが、地方よりも花粉症患者の割合が多いとの調査結果が示されているのです。

その理由と、都会と地方の花粉の特性の違いついて、ダイキン工業コーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之(しげまさ・ちかし)さんに伺いました。

スギ花粉症の人の割合と人工のスギ林比率の関係

都会にはアレルギーを悪化させる物質が多い

「都会の空気には地方の空気に比べて、アジュバントと呼ばれる大気汚染物質が多く含まれています。アジュバント物質とは、自動車の排気ガスに含まれるディーゼル粉塵(ふんじん)や、建材に使われているホルムアルデヒドなど、花粉に付着することによってアレルギー症状をより悪化させる物質の総称です。

都会の空気には自動車の排気ガスが地方よりも多いため、体内でアレルギーを引き起こす抗体の生成を促進させ、その結果、アレルギー症状を2倍にも悪化させるといわれています。

地面の大半がコンクリートやアスファルトに覆われた都会では、花粉が土などに吸収されず、風を受けて何度も空中に舞い上がります。晴れて風が強く乾燥した日には“大飛散”になりがちです。そのためアジュバント物質が花粉に付着しやすく、花粉症の症状をさらに悪化させているのです」(重政さん)

また、花粉だけでなくダニやカビ、ホコリ、ペットの毛などのアレルゲンも、アジュバント物質と一緒に吸うことで、アレルギー症状が悪化するようです。

都会ではより注意深く花粉対策を

地方に比べて都市部の暮らしには、住まいの気密化、地面のアスファルト化などの“ハード面”に加え、食生活の高タンパク食化や幼児期の過保護、ストレス社会、低体温の増加など“目に見えない”アレルギーを発症させる要因も多いといいます。

「これまで花粉症の症状が現れていないから大丈夫、と考えている人も油断は禁物です。アジュバント物質が花粉に付着することで、抵抗力がもたなくなって花粉症を発症するリスクが高まることがあるからです。

未発症の人は『抵抗力』と『花粉』のバランスがとれているシーソーにたとえることができます。そこにアジュバント物質が加わることで保たれていたバランスが崩れてしまい、花粉症を発症するというイメージです。未発症の人でも、いつ花粉症になるかわからないということです」(重政さん)

特に都会ではより厳重な花粉対策で、少しでも症状を軽減しましょう。