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週刊地震情報 2024.4.28
茨城県北部で震度4と震度3 小笠原の深発地震では異常震域

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2024/04/28 10:03 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べると少ない水準です。

西日本から東北にかけて太平洋側でやや地震が目立っています。震度3以上の地震は8回発生しました。(4月22日~28日10時の集計)

国内:茨城県北部で震度4と震度3の地震発生

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茨城県北部の地震
24日(水)20時40分頃、茨城県北部を震源とするマグニチュード5.1、深さ55kmと推定される地震が発生しました。この地震で茨城県水戸市、日立市、ひたちなか市、常陸大宮市、栃木県市貝町、千葉県野田市などで最大震度4、関東の広い範囲や福島県の一部で震度3を観測しています。

茨城県北部を震源とする震度4以上の地震は昨年3月以来、約1年ぶりです。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

また、翌25日(木)13時46分頃にもほぼ同じ震源でマグニチュード3.7の地震があり、茨城県東海村で最大震度3を観測しました。

茨城県北部の地震は大きく分けて福島県に近い領域で発生する浅い地震と、今回の地震に近い所で発生するやや深い地震があります。この領域の深さ50〜60kmは太平洋プレートが陸のプレートの沈み込む境界が分布しています。2016年には今回とほぼ同じ震源でマグニチュード5.4の地震が起きて最大震度5弱を観測しました。

国内:小笠原諸島の深発地震で異常震域

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小笠原諸島西方沖の地震
27日(土)17時36分頃、小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード6.9、深さ約540kmと推定される地震が発生しました。この地震で東京都小笠原村・母島で最大震度3、関東から東北にかけての広い範囲で震度1〜2の揺れを観測しています。

深発地震の時に現れる「異常震域」の震度分布です。深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあります。これを「異常震域」といい、震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わることがあるため注意が必要です。

小笠原諸島西方沖では2015年にマグニチュード8.1、深さ682kmの、詳しい記録が残る1919年以降では日本周辺で最大規模の深発地震が起きました。この時は震源から遠く離れた神奈川県二宮町で震度5強、東京23区などで震度4の揺れに見舞われ、47都道府県で震度1以上を観測しています。深発地震でも規模によっては被害が出ることがありますので、油断ができません。

世界:台湾付近でM6クラスの地震が複数回発生

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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は5回発生しています。そのうち2回は台湾付近を震源とする地震です。

日本時間の23日(火)3時26分頃に台湾付近でマグニチュード6.1、深さ約11kmの地震が発生しました。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。また、そのわずか5分ほど後にもマグニチュード6.0の地震が起きています。

4月3日に発生したマグニチュード7.4の地震の余震活動は一旦小康状態になったものの、22日(月)頃から再び活発になりました。27日(土)の未明にもマグニチュード5.7の地震が発生しています。しばらくは活発な活動が続く可能性があり、本震で大きな被害があった地域では、影響の拡大が懸念される状況です。

出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。