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“ベトベト汗”を“サラサラ汗”に変えるには?
春から始めたい汗腺トレーニング

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2024/04/17 05:10 ウェザーニュース

春の天気は変わりやすいものですが、なかでも今年は寒暖差が大きく、たびたび記録的な高温にもなりました。汗をかく機会が増えると臭いが気になるものです。

「汗の臭いを抑えたいなら、皮膚ガスが発生しにくい”よい汗“をかくこと」と説明するのは、東海大学理学部化学科教授の関根嘉香(よしか)先生。皮膚ガスと汗の関係や春からの汗対策について教えていただきましょう。

なぜ春から汗対策?

汗ばむ季節になると嫌な臭いになっていないか心配になります。

「嫌な臭い(体臭)の正体は、誰もが皮膚から微量に発している『皮膚ガス』です。

皮膚ガスには大きく分けて3つあり、血液中の成分が揮発したもの、汗腺・皮脂腺由来のもの、そして皮膚の表面で発生するものがあります」(関根先生)

皮膚の表面で皮膚ガスが発生するメカニズムには、汗が関わっているといいます。

「人は汗をかくことで体温を調節しています。汗は汗腺で作られますが、水分だけでなくミネラル、ぶどう糖、アミノ酸、乳酸や尿素などの微量成分が含まれます。

汗はかいた直後には臭わないものですが、微量成分が皮膚の常在菌の働きによって分解されると、体臭のもとになる『皮膚ガス』が発生するのです」(関根先生)

汗に含まれるミネラルなどの微量成分の量は、汗腺の状態によって変化があるといいます。

「実は、人の体に備わっている汗腺は常にすべてが働いているわけではありません。冬の間は汗をかく機会が減るので、今の時期は休眠汗腺が増えています。

春になって暖かくなったからといって、休眠汗腺が急に目覚めるわけではなく、一部の汗腺からまとめて汗が出ることになります。すると、ミネラルなどの成分を多く含んだ、いわゆる『ベトベト汗』になるのです。乾きにくく常在菌の活動が活発になり、皮膚ガスが発生してしまいます」(関根先生)

サラサラ汗をかくために

どうしたら、ベトベト汗からサラサラ汗に変えられるのでしょうか。

「汗腺を鍛えることで汗を上手にかけるようになります。

効果的なのは、運動などで汗をかく習慣をつけることです。ウオーキングの際も早歩きとゆっくり歩きを交互に繰り返す『インターバル速歩』などを取り入れて、汗腺をより働かせるようにしましょう。

入浴で汗をかくのもおすすめです。約41℃のお湯に15分程、軽く汗ばむまでゆっくり浸かります」(関根先生)

人との出会いが多いこの時期は、特に臭いが気になるものです。

「毎日の食事にも臭いを強くしてしまう原因はあります。ニンニクなど強い臭いの成分が血液経由で発散したり、動物性脂肪の摂り過ぎが脇汗臭を強くするなどです。精神的なストレスや不安も、いわゆる疲労臭のもととなります。

バランスのとれた食事や十分な睡眠、ストレス対策など基本的な生活を守ることを心がけるといいでしょう」(関根先生)

これからの季節を爽やかに過ごすためにも、正しくケアしていきましょう。
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