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★2024年1月の天体イベント★
新年早々に流星群が出現!月と惑星の接近も

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2024/01/03 16:00 ウェザーニュース

1月は新年を迎えて早々に、しぶんぎ座流星群が出現のピークを迎えます。日の入り後の空には土星と木星を見ることができ、日の出前の空には金星や火星、水星が姿を現します。

冷え込む季節のため、しっかりと暖かくして天体観測をお楽しみください。

しぶんぎ座流星群が見頃

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1月5日の4時頃 北東の空(東京)
2024年1月4日(木)18時頃、三大流星群の一つ「しぶんぎ座流星群」の活動が極大を迎えます。この時間帯は日本では放射点(※)が昇っていないか、昇っていても低い位置のため観察に向いていません。

日本では放射点が高く昇ってくる4日(木)深夜から5日(金)明け方が観測チャンスとなります。国立天文台によると、空の暗い場所では1時間あたり10個程度みえる予想とのことです。

流星は放射点の方向から流れますが、放射点の付近だけでなく全天のどこにでも出現します。なるべく空の広い範囲を見渡すようにして、観測するのがおすすめです。

※放射点:流れ星(群流星)が飛び出してくるように見える天球上の点のことを差します。

明け方の空に注目!水星の西方最大離角も

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1月は日の出前の南東の空に「金星・水星・火星」の姿を見ることができます。1月12日(金)には水星が「西方最大離角」を迎えるため見頃です。

西方最大離角とは、地球から見て水星が太陽から西側に最も離れる現象のことを呼びます。
地球の内側を公転する水星は、見かけ上では太陽から大きく離れることがなく、日の入り後の西の低空か、日の出前の東の低空にしか見えません。太陽から最も離れる最大離角の際は、普段よりも空高くに昇るため観測チャンスとなります。

3日(水)から18日(木)にかけて、東京では水星の高度は10度を超える予想です。明るい金星に加えて、空の開けた場所では火星も見ることができるため、日の出前の空を見上げて3つの惑星の共演をお楽しみください。

▼12日(金)に昇る時刻(東京)
水星 5:11 金星 4:18 火星 5:52 太陽 6:51

細い月と金星が接近

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1月9日(火)の未明から明け方には「細い月と金星」が接近します。

金星はマイナス4等もの明るさで輝くため、夜空の中でも大変目を引きます。地球照を伴った幻想的な細い月と明るい金星の共演は見物です。

金星の周辺では、12日(金)に西方最大離角を迎える「水星」や、さそり座の1等星「アンタレス」も輝きます。

▼9日(火)に昇る時刻(東京)
月 4:37 金星 4:12 水星 5:10 太陽 6:51

水星と火星が接近

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1月下旬から2月上旬頃には、明け方の東南東の低空で「水星」と「火星」が大接近します。

水星と火星の最接近は1月28日(日)頃で、0.3度未満まで近づく予想です。日の出30分前の高度は5℃前後とかなり低いため、東南東の空が開けた場所からお楽しみください。双眼鏡があると見やすくなります。

視線を右上に向けると、非常に明るい金星の姿もあるため注目です。

▼28日(日)に昇る時刻(東京)
水星 5:38 火星 5:39 金星 4:44 太陽 6:44

細い月と土星が接近

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「土星」が宵の空で見るのもあと少しです。土星は観測シーズンの終盤を迎えており、日没後から2時間から3時間ほどで西の空に沈んでいきます。

1月14日(日)の夕方から宵には、細い月と土星が接近するため注目です。

1月末から2月にかけて、土星の見かけの位置は段々と太陽に近づき、2月末には太陽と同じ方向に位置する「合」を迎えます。その後は夜明け前の東の空に姿を現すようになります。

▼14日(日)に沈む時刻(東京)
土星 20:05 月 19:58

月と木星が接近

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1月は空が暗くなった頃には南の空高くに昇ります。マイナス2.5等前後の明るさで輝くため、夜空の中でもたいへんよく目を引きそうです。

18日(木)から19日(金)には、月が木星に接近します。存在感のある木星と月の共演をお楽しみください。

▼沈む時刻(東京)
・18日(木) 木星 24:47 月 24:37
・19日(金) 木星 24:44 月 25:44

1月の満月、英語で“Wolf Moon”

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農事暦における満月の呼び方
1月の月は、26日(金)2時54分に満月の瞬間を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。

農事暦(The Old Farmer's Almanac)によると、アメリカでは1月の満月を「ウルフムーン(Wolf Moon/狼月)」と呼ぶようです。真冬の食糧不足を嘆く飢えた狼の遠吠えにちなんで名付けられています。

出典・参考
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers' Almanac