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「元日」と「元旦」の違いは? 文字のかたちで覚えられる!

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2024/01/01 05:00 ウェザーニュース

年が明けました。2024年、令和6年になりました。

皆さま、あけましておめでとうございます。今年も「ウェザーニュース」をよろしくお願いいたします。

さて、元日の今日は、この「元日」や「元旦」などの言葉について見ていきましょう。

「元日」は「一年の最初の日」のこと。では「元旦」は?

年賀状の挨拶文などに「令和六年 元旦」などとよく書きますね。あるいは、最初からそのように印刷されている年賀はがきもあります。

この「元旦」と「元日」の違いをご存じですか?

「元日」は「一年の最初の日」のこと。つまり「一月一日」のことです。

一方、「元旦」は「元日の朝」のことです。「旦」の字は地平線から昇ってきた太陽をかたどっています。

「元旦の昼」は、おかしい

「元旦と元日の意味の違いくらい、知っているよ」と思った人もいるでしょうが、混同して使われている現状もあります。

たとえば「元旦の朝」と言ったり書いたりする人も少なくありません。

「元旦の朝」では「元日の朝の朝」で、重言(じゅうげん)になってしまいます。「元旦」だけで十分です。

「一月元旦」も重言です。元旦は「元日の朝」のことなので「一月」は不要ですね。

「元旦の昼」や「元旦の夜」もおかしな表現です。朝なのか、昼なのか、夜なのか、いったいどれなんだ? と言いたくなってしまいます。「元日の昼」「元日の夜」であれば、問題ありません。

「初詣(はつもうで)」と「元朝参り(がんちょうまいり)」は同じ意味?

「元旦」と同じ意味の言葉に「元朝」があります。

新年に初めて神社やお寺にお参りすることを「初詣」といいますね。

宮城県や岩手県など、一部の地方では、この「初詣」のことをしばしば「元朝参り」といいます。

これは文字どおり、元日の朝に神社やお寺にお参りすることです。

元朝を過ぎて、初めて神社やお寺にお参りに行く場合は「初詣」と言うこともあるようです。

「元旦」と「元日」を詠んだ、味わい深い俳句

元旦と元日にまつわる俳句を一句ずつ紹介しましょう。

〜元旦や生涯医師の掌〜

この「掌」は「たなごころ」と読み、手のひらのことです。作者は医師で俳人だった下村ひろし(1904~1986)です。

医師として生きてきた自分の掌を元日の朝にじっと見ている。そのとき、どのような思いが去来したのでしょうか。達成感や満足感、あるいは、今年一年への新たな思いだったのでしょうか。

〜元日や手を洗ひをる夕ごころ〜

これは小説家の芥川龍之介(1892~1927)が詠んだ一句です。

元日に手を洗っているとき、夕暮れなのだなあと、しみじみ思ったのでしょう。

特別な一日である元日は晴れやかで、賑やかで、慌ただしく過ぎていきがちです。ふと気づくと、もう夕方。そんな心情を詠んだのかもしれません。


さあ、新しい一年が始まりました。心機一転、明るく、楽しく、充実した一年にしていきたいですね。

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参考
『日本の365日を愛おしむ』(著者/本間美加子、発行所/飛鳥新社)、『まいにちの季語』(著者/辻桃子・安部元気、発行所/主婦の友社)、『鑑賞俳句歳時記 冬・新年』(編著者/山本健吉、発行所/文藝春秋)

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