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年末年始に食べたい縁起物
カニを美味しいまま解凍するコツ

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2023/12/25 05:06 ウェザーニュース

冬の味覚で年末の風物詩ともいえるカニのシーズンになりましたね。年末年始の買い物リストに、ズワイガニやタラバガニを予定している方もいるのではないでしょうか。

ズワイガニやタラバガニなどは冷凍ものが多く出回ります。最近では冷凍技術が進んで、冷凍しても美味しい状態が保たれていますが、解凍の仕方を間違えるとせっかくのカニの旨みが損なわれてしまうそうです。

カニの解凍の注意点を、株式会社ヤマスエ水産取締役、内海貴久さんに聞きました。

生とボイルかを見分ける

冷凍カニは生のまま冷凍したものと、ボイルしてから冷凍したものがあるそうです。

「まず買ったものが生かボイルのどちらの状態で冷凍されたかを見分けます。もちろん購入する際に明記されている場合がほとんどですが、よくわからない場合でも冷凍のズワイ、タラバともに、生とボイルでは色が違うのですぐ見分けがつきます。

いずれも生の状態のものは色が黒っぽいくすんだ感じですが、ボイルされたものは赤みが冴えています。これでまず見分けられます。生かボイルで解凍の仕方が異なるので、まず見分けることから始めてください」(内海さん)

生とボイルで異なる解凍の仕方

冷凍カニを美味しく食べるには、解凍の方法にポイントがあると言います。

「まず解凍時間は、『生は短く』、『ボイルは長く』が鉄則です。

生の冷凍カニは解凍後に時間が経つと空気中の酸素とカニが持つ酵素が反応して黒く変色(黒変)してしまいます。味が極端に落ちるわけではありませんが、残念な見た目になってしまうので注意が必要です。

そうならないためにも、生の冷凍カニはポリ袋に入れ、カニの大きさに合わせて流水で10~30分、6~8割が解凍したことを確かめてから、鍋などで調理すると美味しくいただけます。黒変しないように、カニ鍋を食べ始める時間から逆算して解凍をはじめるのがベストです。

しゃぶしゃぶ用に加工されたズワイは殻が切り取られて『グレス』と呼ばれる氷の膜で保護されていることが多いので、解凍には特に気をつけてください。

一方、ボイルの冷凍カニは、短時間で解凍すると旨み成分がドリップとなって抜けてしまうため、冷蔵庫で時間をかけて解凍します。乾燥しないように新聞紙やペーパータオルなどで包み、ポリ袋に入れてから冷蔵室で解凍しましょう。

途中でカニを保護している『グレス』が溶けて水が出ることがあります。ポリ袋やバットなどに入れて水分が漏れないようにしてから、1日~1日半ぐらいかけてゆっくり解凍してください」(内海さん)

茹でる、蒸す、電子レンジ強はNG

急いでいても、解凍法としてNGがあるそうです。

「まったく解凍せずに茹でたり、蒸したり、電子レンジの強で加熱したりすると、カニの身の中の旨み成分がドリップとして出てしまいます。そのため、面倒でも生かボイルの状態に合わせた解凍することが美味しく食べるポイントです。

どうしてもボイル冷凍カニを急いで解凍したい場合は、足をもいでから20秒程度電子レンジにかけ、さらに殻をむいてから冷蔵庫に入れておくと1時間程度で解凍できます。

ただ、この方法は時間がないときだけにしましょう。せっかく鮮度のよいうちにボイルして急速冷凍したカニです。美味しさを逃さず食べていただきたいものです」(内海さん)

食卓が華やぐカニ鍋やカニすき。上手に解凍して美味しくいただきましょう。

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