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富士山の傍らに”つるし雲”が出現 このあと天気が崩れるサイン

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2023/12/11 08:52 ウェザーニュース

今日11日(月)は朝から富士山のすぐ脇に大きくあまり動かない雲が見られました。これは”つるし雲”と呼ばれています。

つるし雲は上空の風に乗って流れる普通の雲と違い、一度出現すると場所がほとんど動きません。その様子が山の風下に吊されているように見えるので「つるし雲」と呼ばれます。

つるし雲とは

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つるし雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、高い山の風下に出現します。特に、
 ・上空を一定の強い風が吹いている
 ・上空の空気が湿っている
という気象条件が重なった時に発生しやすくなります。

強い風が山にぶつかると風の流れが変わり、風下では上下に振動する空気の波ができます。これを山岳波と呼びます。空気が湿っていると、波の山の部分で空気が上昇することで雲が発生し、波の谷の部分で空気が下降することで雲が消える、という原理で波に沿って雲ができます。

波の上下する場所はほぼ一定なので、空気は入れ替わっていても同じ場所で雲が出現し続けるわけです。

富士山のような単独峰の風下では円盤状や手羽先状のレンズ雲になり、山脈の風下にできる場合は山脈と平行な帯状のロール雲になります。

今日は大きなつるし雲の先に、波打つ頂上に対応するようにいくつか小さな雲が並んでいるのも見られています。
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だんだんと天気下り坂 夜遅くには雨に

今日は西から前線を伴った低気圧が東へ進んでいて、西から天気が下り坂となっています。

富士山周辺では低気圧や前線の接近前から、南からの湿った空気に覆われ、上空3000~4000m付近では風速10m/s前後の西寄りの風が吹いていて、上昇気流も見られることから、つるし雲が出現したと考えられます。

これから午後にかけてはだんだんと雲が厚くなっていき、夜遅くには雨が降り出す見込みです。帰宅が夜遅くになる方は、折り畳み傘があると安心です。
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写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿) teruさん