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パプアニューギニア ウラウン火山で規模の大きな噴火 噴煙は高度1万5000m

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2023/11/20 16:32 ウェザーニュース

日本時間の今日11月20日(月)午後、パプアニューギニアにあるウラウン火山で規模の大きな噴火が発生しました。

オーストラリア・ダーウィンにある航空路火山灰情報センター(VAAC)によると、気象衛星ひまわり9号からの観測で噴煙が高度約1万5000mに到達していると推定されます。

パプアニューギニアには多数の活火山があり、たびたび規模の大きな噴火を起こしています。ウラウン火山でも1970年以降に活動が活発になっています。

(更新)気象庁は17時03分に「遠地地震に関する情報」を発表し、2022年1月のトンガの火山噴火時のような津波が発生しないか監視するとしています。

ウェザーニュース地象センターの監視によると、17時00分現在、有意な潮位変化は観測されていません。

(更新)気象庁は23時00分に、この噴火による日本への津波の影響はないと発表しました。
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気象衛星でも噴煙を観測

ウラウン火山(Ulawun/標高2334m)は、パプアニューギニアのニューブリテン島にある火山です。「ラバウル富士」とも呼ばれる富士山のような円錐状の火山(成層火山)で、たびたび規模の大きな噴火を起こしていて、火砕流や泥流を発生させることもあります。2019年6月には今回よりもさらに高い、1万9000mにまで噴煙を上げる大規模な噴火が起こっていました。

今回の噴火でも、噴煙を対流圏の最上層付近まで噴き上げたとみられ、気象衛星ひまわりからも噴煙を確認しました。
» 関連記事 2019年6月「ウラウン山で噴火 噴煙の高さは1万9千メートル」

噴煙の状況次第では航空機に影響も

噴火により多量の火山灰が大気中に放出されると、それを吸い込んだ飛行機のエンジンが停止したり、操縦席の窓ガラスに傷が付いて見通しがきかなくなるなど、航空機の運航へ重大な影響を及ぼすおそれがあります。

今後の火山活動の状況次第では、東アジアと豪州を結ぶ国際線の航空便の経路変更などで、遅延等の影響が生じる可能性があります。
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噴火による潮位変化の可能性を気象庁が調査

2022年1月にトンガの火山フンガトンガ=フンガハアパイで大規模な噴火が発生した際には、通常とは異なる津波が発生して、日本にも津波が到達しました。

今回のウラウン火山の噴火も噴煙の高さが気象庁の設けた基準に達したため、気象庁は潮位変化を監視する旨の発表を行いました。

同様の発表は、2022年3月のマナム火山、2022年5月のベズィミアニィ火山、2022年12月のセメール火山、2023年4月のシベルチ火山の噴火に続いて、今回が5事例目です。

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