降水捕捉率は気象庁を大きく上回る

ウェザーニュースの降水捕捉率は、7月は84%、8月は79%、9月は78%となりました。
7〜9月はゲリラ雷雨(ゲリラ豪雨)など突発的・局地的な降水の頻度が高くなるため、降水捕捉率が低くなる、つまり降水の見逃しが増える傾向があり、1年間の中でも、予報が当たらない季節と言えます。今年の結果をみても、7〜9月は6月までと比べると精度を落としてしまっています。
ただ、気象庁がホームページ上で発表している結果と比較すると、ウェザーニュースが大きく上回る結果となりました。
7〜9月はゲリラ雷雨(ゲリラ豪雨)など突発的・局地的な降水の頻度が高くなるため、降水捕捉率が低くなる、つまり降水の見逃しが増える傾向があり、1年間の中でも、予報が当たらない季節と言えます。今年の結果をみても、7〜9月は6月までと比べると精度を落としてしまっています。
ただ、気象庁がホームページ上で発表している結果と比較すると、ウェザーニュースが大きく上回る結果となりました。
適中率は安定して80%以上をキープ

適中率は、7月は86%、8月は81%、9月は82%となりました。適中率は1月から安定して80%以上をキープしています。
以上の結果から、この夏の天気予報の精度については、適中率で気象庁と同等かやや上回り、降水の見逃しについてはウェザーニュースの方が少ない(降水捕捉率の精度が高い)ことがわかります。
以上の結果から、この夏の天気予報の精度については、適中率で気象庁と同等かやや上回り、降水の見逃しについてはウェザーニュースの方が少ない(降水捕捉率の精度が高い)ことがわかります。
夏の気象予測のポイントについて

ウェザーニュースでは夏の気象に対してどのように予報を行い、降水捕捉率の向上に取り組んでいるのか、予報センターの柳井さんに解説していただきました。
「夏の期間(7〜9月)は、いわゆる『ゲリラ雷雨(ゲリラ豪雨)』と呼ばれる、突発的・局地的な降水の発生頻度が増えます。ゲリラ雷雨は急速に発達する積乱雲によってもたらされるため、ピンポイントな予測が難しいことが特徴です。このためウェザーニュースでは、夏の期間はゲリラ雷雨予測に特に力を入れています」
「夏の期間(7〜9月)は、いわゆる『ゲリラ雷雨(ゲリラ豪雨)』と呼ばれる、突発的・局地的な降水の発生頻度が増えます。ゲリラ雷雨は急速に発達する積乱雲によってもたらされるため、ピンポイントな予測が難しいことが特徴です。このためウェザーニュースでは、夏の期間はゲリラ雷雨予測に特に力を入れています」
ゲリラ雷雨予測の専任チームを結成

ウェザーニュースでは毎年、ゲリラ雷雨の発生回数が多くなる7〜9月の間、ゲリラ雷雨に特化して予測を行う担当チームを配置します。
ゲリラ雷雨予測の担当者は、全国のユーザーの皆さんから寄せられる空や雲の写真、コメントに加えて、最新の気象観測データや衛星画像などを解析します。それにより、いつどこでゲリラ雷雨が起きるかをモニタリング・予測し、ゲリラ雷雨アラームの配信を行っています。
「夏の間はゲリラ雷雨の予測を毎日行っていますから、どのモデルがゲリラ雷雨をより良く捉えられていたか、といった前日の実際の状況や気象予測モデルの傾向を確認することができます。これは翌日の天気予報にも役立っているんです」
ゲリラ雷雨予測の担当者は、全国のユーザーの皆さんから寄せられる空や雲の写真、コメントに加えて、最新の気象観測データや衛星画像などを解析します。それにより、いつどこでゲリラ雷雨が起きるかをモニタリング・予測し、ゲリラ雷雨アラームの配信を行っています。
「夏の間はゲリラ雷雨の予測を毎日行っていますから、どのモデルがゲリラ雷雨をより良く捉えられていたか、といった前日の実際の状況や気象予測モデルの傾向を確認することができます。これは翌日の天気予報にも役立っているんです」
ゲリラ雷雨が捉えられたかが降水捕捉率を左右

2023年8月1日は、東京都心を含む関東南部で激しい雷雨となり、ヒョウが降ったところもありました。
この日、朝の段階では各社の雨の予報にばらつきがありましたが、ウェザーニュースでは朝5時の段階で雨のマークを採用し、降水の見逃しを防いで高い降水捕捉率を保つことができました。
「この日は雷雨の要因となる寒気トラフが深く、関東上空を通過することがわかっていました。雨が降る予測があまり出ていない気象予測モデルもあったのですが、各地で気温が上昇し30℃以上の真夏日が予想されており、天気悪化の兆候がありました。また、未明の段階でも実況の悪化傾向が見られたため、最終的には雨の予測を出しました」
この日、朝の段階では各社の雨の予報にばらつきがありましたが、ウェザーニュースでは朝5時の段階で雨のマークを採用し、降水の見逃しを防いで高い降水捕捉率を保つことができました。
「この日は雷雨の要因となる寒気トラフが深く、関東上空を通過することがわかっていました。雨が降る予測があまり出ていない気象予測モデルもあったのですが、各地で気温が上昇し30℃以上の真夏日が予想されており、天気悪化の兆候がありました。また、未明の段階でも実況の悪化傾向が見られたため、最終的には雨の予測を出しました」

ウェザーニュースでは、独自の気象予測モデルはもちろん、気象庁やアメリカ、ヨーロッパの気象機関など複数の気象モデルを用いて天気予報を行っています。それぞれの気象モデルに特徴があり、日によっては雨を多く表現し過ぎてしまっているモデルや、雨をほとんど予測できていないモデルなど、予測の傾向を持っています。
「ウェザーニュースの強みはユーザーの皆さんからリアルタイムで今の天気を送ってもらえるところです。現在の実際の天気と既にズレがあるモデルは予測もズレてしまうことが多いので、より当たっているモデルの予測を採用するという運営を行っています。毎日ユーザーの皆さんからいただいたリポートをもとにゲリラ雷雨に特化した予測を行っているので、ゲリラ雷雨を当てるという点では負けない、という自信を持っています」
「ウェザーニュースの強みはユーザーの皆さんからリアルタイムで今の天気を送ってもらえるところです。現在の実際の天気と既にズレがあるモデルは予測もズレてしまうことが多いので、より当たっているモデルの予測を採用するという運営を行っています。毎日ユーザーの皆さんからいただいたリポートをもとにゲリラ雷雨に特化した予測を行っているので、ゲリラ雷雨を当てるという点では負けない、という自信を持っています」
2年連続の予報精度No.1に向けて

最後に、秋〜冬にかけての天気のポイントと、予報精度への意気込みを聞きました。
「これからの季節は、移動性の高気圧や低気圧によって天気が周期的に変化します。雨は低気圧や前線の影響によるものがメインとなるため、比較的予測はしやすい季節ですが、雨のタイミングやエリアの微妙なズレが発生することがあります。
また、段々と西高東低の冬型の気圧配置になる日が増えてきます。冬型の気圧配置の時は、日本海側では雪が降りやすく、大雪となることもあります。ただ、1つ1つの雪雲が小さく、雪が降らないエリアと降るエリアの差が生まれたり、晴れ間があったりすることもあります。
引き続きユーザーの皆さんからのリポート、予報センターのノウハウをフル活用して、2年連続の予報精度No.1に向けて取り組んでいきます」
>>【予報精度向上への取り組み】予報のはずれを感じたらこちらへ報告
「これからの季節は、移動性の高気圧や低気圧によって天気が周期的に変化します。雨は低気圧や前線の影響によるものがメインとなるため、比較的予測はしやすい季節ですが、雨のタイミングやエリアの微妙なズレが発生することがあります。
また、段々と西高東低の冬型の気圧配置になる日が増えてきます。冬型の気圧配置の時は、日本海側では雪が降りやすく、大雪となることもあります。ただ、1つ1つの雪雲が小さく、雪が降らないエリアと降るエリアの差が生まれたり、晴れ間があったりすることもあります。
引き続きユーザーの皆さんからのリポート、予報センターのノウハウをフル活用して、2年連続の予報精度No.1に向けて取り組んでいきます」
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【柳井 剛】
ウェザーニュース予報センター所属。千葉県袖ケ浦市出身。入社13年目。予報精度改善チームにて精度検証・改善を行っている。
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参考資料など
降水捕捉率 検証方法説明(気象庁ホームページ) https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/kensho/explanation.html
気象庁 天気予報検証結果 https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/kensho/score_f.html
気象庁 天気予報検証結果 https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/kensho/score_f.html