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鳥島近海に“軽石いかだ”とみられる浮遊物 火山活動か 海上保安庁撮影

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2023/10/20 21:03 ウェザーニュース

気象庁によると、今日10月20日(金)に海上保安庁が実施した航空機からの観測で、鳥島(伊豆鳥島)の西方約50kmの海域において軽石とみられる浮遊物が確認されました。軽石は南北方向に約80kmにわたり、潮目に沿って点在しているとのことです。この軽石の発生源は現時点では不明です。

鳥島近海では今月上旬に地震活動が活発になったほか、9日(月)には通常とは異なる地震波が観測されて津波が発生するなどの影響がありました。
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付近の火山での変化は観測されず

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気象庁によると、海上保安庁の観測ではこの付近の活火山(伊豆鳥島、孀婦岩(そうふがん))の周辺において噴煙や火山活動に伴う変色水等は認められず、気象衛星ひまわりの観測でもこれらは確認されていません。

また、鳥島近海で多発していた地震活動についても、10月10日(火)以降は低調に推移しています。
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この浮遊物は船舶の航行の妨げとなるおそれがあることから、海上保安庁は航行警報を発出して、付近を航行する船舶に注意を呼びかけています。

2021年の福徳岡ノ場の噴火の際にも「軽石いかだ」が観測される

今回確認されたような浮遊物は、火山活動によって噴出した軽石による「軽石いかだ」とみられます。ただ、いつ頃どこから漂流し始めたものかはわかっていません。

軽石いかだは、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の2021年8月の噴火の際にも見られていました。2021年の軽石いかだは人工衛星からも撮影されるほどの規模で、沖縄などに軽石が多数漂着して話題となりました。
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