高血圧が血管を弱める
脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす、血管の収縮はどのような状態で起こりやすいのでしょうか。
「循環器系の疾病の大きな原因となるのが高血圧です。日本人の成人の3人に1人、高齢者では3人に2人が、診察室での繰り返し測定で最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上の『高血圧』と診断されています。
高血圧の状態が続くと血管は常に圧迫された状態になり、時間を経るにつれて血管壁の厚さと硬さが増していきます。これが高血圧を原因とする『動脈硬化』で、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす大きな原因になります。
国立循環器病研究センターの調査では、血圧が2mmHg下がれば国内の循環器病による死者数を2万人以上減らすことができるとされています」(吉田院長)
高血圧にはさまざまな原因があるようですが、特に食習慣で注意するべき点はどんなことでしょうか。
「食塩(塩分)を摂りすぎないことです。食塩の摂取量が多いと、血圧が上がって脳卒中や心臓病の危険性を高めるほか、心臓や血管そのものに悪影響を及ぼしてしまいます」(吉田院長)
「循環器系の疾病の大きな原因となるのが高血圧です。日本人の成人の3人に1人、高齢者では3人に2人が、診察室での繰り返し測定で最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上の『高血圧』と診断されています。
高血圧の状態が続くと血管は常に圧迫された状態になり、時間を経るにつれて血管壁の厚さと硬さが増していきます。これが高血圧を原因とする『動脈硬化』で、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす大きな原因になります。
国立循環器病研究センターの調査では、血圧が2mmHg下がれば国内の循環器病による死者数を2万人以上減らすことができるとされています」(吉田院長)
高血圧にはさまざまな原因があるようですが、特に食習慣で注意するべき点はどんなことでしょうか。
「食塩(塩分)を摂りすぎないことです。食塩の摂取量が多いと、血圧が上がって脳卒中や心臓病の危険性を高めるほか、心臓や血管そのものに悪影響を及ぼしてしまいます」(吉田院長)
食塩摂取量の目標値は?
人間の体に必要な食塩の摂取量はどのぐらいで、また、私たちは日ごろどのぐらいの食塩を摂っているのでしょうか。
「欧米では多くの国々が食塩摂取量1日6g未満を推奨しています。ところが厚生労働省の調査では、日本人(20歳以上、2019年)は1日あたりの食塩摂取量が平均9.9g、男性では10.8g、女性でも9.1gに達しています。
食塩摂取量の目標値は、厚労省が男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満、日本高血圧学会は高血圧患者の減塩目標を男女とも6g/日未満と定めています」(吉田院長)
「欧米では多くの国々が食塩摂取量1日6g未満を推奨しています。ところが厚生労働省の調査では、日本人(20歳以上、2019年)は1日あたりの食塩摂取量が平均9.9g、男性では10.8g、女性でも9.1gに達しています。
食塩摂取量の目標値は、厚労省が男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満、日本高血圧学会は高血圧患者の減塩目標を男女とも6g/日未満と定めています」(吉田院長)
減塩のために普段からできること
食塩の摂取量を減らすためには、どのような食習慣を心がければいいのでしょうか。
「まず、日ごろの食生活のなかで積極的に塩分摂取量を減らすのが大切なことは、いうまでもありません。
食塩やしょうゆなどの調味料を減らし、減塩調味料や出汁、レモン汁などを活用する。漬物や佃煮、塩辛などはもちろん、ハムやソーセージといった肉加工品や魚の干物、タラコや塩引きなど塩蔵品の摂取を減らすことも重要です。
外食や市販の惣菜などは味付けの濃いものが多くなるので、塩分控えめにした家庭での食事機会を増やし、みそ汁や麺類の汁は少なめに。『腹八分目』も常に心がけるようにしましょう」(吉田院長)
「まず、日ごろの食生活のなかで積極的に塩分摂取量を減らすのが大切なことは、いうまでもありません。
食塩やしょうゆなどの調味料を減らし、減塩調味料や出汁、レモン汁などを活用する。漬物や佃煮、塩辛などはもちろん、ハムやソーセージといった肉加工品や魚の干物、タラコや塩引きなど塩蔵品の摂取を減らすことも重要です。
外食や市販の惣菜などは味付けの濃いものが多くなるので、塩分控えめにした家庭での食事機会を増やし、みそ汁や麺類の汁は少なめに。『腹八分目』も常に心がけるようにしましょう」(吉田院長)
塩分の排出を促す食材は?
日常的に塩分摂取量が多くなっている場合は、排出量を増やすための食習慣も大切です。
「食塩の主成分であるナトリウム(Na)の体外への排出を促す成分として、カリウム(K)が挙げられます。カリウムを多く含んだ食品を積極的に摂るようにしましょう」(吉田院長)
カリウムを多く含む食品には、どのようなものがありますか。
「大豆そのものや大豆を素材とした豆腐、厚揚げなどの製品、野菜ではイモ類、カボチャ、ホウレンソウ、モロヘイヤなど。果実ではリンゴ、バナナ。海藻類にもカリウムは多く含まれています。
また、カルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)、水溶性食物繊維はカリウムの働きを助ける栄養素です。カルシウムは乳製品やダイコンの葉、濃い目の緑茶など、マグネシウムは玄米やゴマなど、水溶性植物繊維はオクラ、ナガイモなどに含まれます。
ただし、医師からカリウムを制限されている人は、その指示に従ってください」(吉田院長)
「食塩の主成分であるナトリウム(Na)の体外への排出を促す成分として、カリウム(K)が挙げられます。カリウムを多く含んだ食品を積極的に摂るようにしましょう」(吉田院長)
カリウムを多く含む食品には、どのようなものがありますか。
「大豆そのものや大豆を素材とした豆腐、厚揚げなどの製品、野菜ではイモ類、カボチャ、ホウレンソウ、モロヘイヤなど。果実ではリンゴ、バナナ。海藻類にもカリウムは多く含まれています。
また、カルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)、水溶性食物繊維はカリウムの働きを助ける栄養素です。カルシウムは乳製品やダイコンの葉、濃い目の緑茶など、マグネシウムは玄米やゴマなど、水溶性植物繊維はオクラ、ナガイモなどに含まれます。
ただし、医師からカリウムを制限されている人は、その指示に従ってください」(吉田院長)
そのほかに注意したい食習慣
食塩以外に減らしたほうがいい食品、逆に摂ったほうがいい食品はありますか。
「血液中に含まれる悪玉コレステロールや中性脂肪の増加による、『皮質異常症』も動脈硬化の原因となります。
肉の脂身に含まれる飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを増やす性質があるので、摂り過ぎは避けましょう。牛肉よりも皮を除く鶏肉のほうが、飽和脂肪酸が少ない食材です。
ファストフードと揚げ物、さらにアルコールの過剰摂取も控えたほうがいいでしょう。
一方で青魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを減らす性質があります。肉類を減らして魚類を多く摂ることも循環器病の予防に役立ちます。
血管の内皮にはアテロームと呼ばれる、コレステロールが蓄積した粥(かゆ)のような物質が付着することがあり、高血圧の要因になります。これを防ぐには抗酸化作用の高いホウレンソウやニンジン、ブロッコリーやトマトなどの『色の濃い』野菜が有効とされています」(吉田院長)
「血液中に含まれる悪玉コレステロールや中性脂肪の増加による、『皮質異常症』も動脈硬化の原因となります。
肉の脂身に含まれる飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを増やす性質があるので、摂り過ぎは避けましょう。牛肉よりも皮を除く鶏肉のほうが、飽和脂肪酸が少ない食材です。
ファストフードと揚げ物、さらにアルコールの過剰摂取も控えたほうがいいでしょう。
一方で青魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを減らす性質があります。肉類を減らして魚類を多く摂ることも循環器病の予防に役立ちます。
血管の内皮にはアテロームと呼ばれる、コレステロールが蓄積した粥(かゆ)のような物質が付着することがあり、高血圧の要因になります。これを防ぐには抗酸化作用の高いホウレンソウやニンジン、ブロッコリーやトマトなどの『色の濃い』野菜が有効とされています」(吉田院長)
適度な運動やストレス対策も忘れずに
食事以外に血管を強くするポイントはありますか。
「冬場に備えて気候が穏やかなこの時季に、血管を強くするための運動習慣を身につけておくことも有効です。
ウオーキングやストレッチ、軽い筋肉トレーニングなどの適度な運動を行うと心拍数が増えて血流が増加し、血管の拡張と血圧の低下をもたらし、血管の内側にある内皮細胞にほどよい刺激を与えます。そのため内皮細胞が活性化されて、強くしなやかな血管が形づくられるようになります。
ストレスも血管や心臓に負担をかける大きな要因です。ストレスが多いと血圧が上がるため、イライラしたときは、何度か深呼吸を繰り返してみてください」(吉田院長)
「食欲の秋」ですが塩分の摂り過ぎや過剰な飲食は控え、「運動の秋」にふさわしい適度な運動を行って強い血管をつくり、体に負担がかかる冬場に備えましょう。
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「冬場に備えて気候が穏やかなこの時季に、血管を強くするための運動習慣を身につけておくことも有効です。
ウオーキングやストレッチ、軽い筋肉トレーニングなどの適度な運動を行うと心拍数が増えて血流が増加し、血管の拡張と血圧の低下をもたらし、血管の内側にある内皮細胞にほどよい刺激を与えます。そのため内皮細胞が活性化されて、強くしなやかな血管が形づくられるようになります。
ストレスも血管や心臓に負担をかける大きな要因です。ストレスが多いと血圧が上がるため、イライラしたときは、何度か深呼吸を繰り返してみてください」(吉田院長)
「食欲の秋」ですが塩分の摂り過ぎや過剰な飲食は控え、「運動の秋」にふさわしい適度な運動を行って強い血管をつくり、体に負担がかかる冬場に備えましょう。
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