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週刊地震情報 2023.8.27
東北の太平洋側で地震が目立つ 三陸沖ではM6.0

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2023/08/27 10:07 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べると若干多い水準です。

東北の太平洋側や関東甲信の陸域での地震が目立ちました。震度3以上の地震は3回発生しています。(8月21日~27日10時の集計)

国内:三陸沖のM6.0の地震で最大震度3

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三陸沖の地震
25日(金)7時48分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード6.0、深さ15kmと推定される地震が発生しました。この地震で岩手県宮古市、釜石市、盛岡市、宮城県登米市、大崎市、石巻市、青森県八戸市などで最大震度3を観測しています。

三陸沖を震源とする最大震度3以上の地震は2019年11月以来、4年ぶりの発生です。地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

三陸沖は太平洋プレートの沈み込みによる海溝型地震が発生する領域です。東日本大震災を引き起こした巨大地震も震源の領域としては三陸沖となります。近年はマグニチュード6を超えるような地震の発生頻度は低くなっているものの、日頃からの備えは欠かせない領域です。

国内:岩手県沖の地震でも最大震度3

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岩手県沖の地震
23日(水)0時03分頃、岩手県沖を震源とするマグニチュード4.7、深さ15kmと推定される地震が発生しました。この地震で岩手県久慈市、普代村、野田村で最大震度3を観測しています。

岩手県沖を震源とする最大震度3以上の地震は今年5月5日以来、3か月ぶりです。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

岩手県沖は三陸沖と同様に太平洋プレートが沈み込んでいる領域ですが、今回の震源のプレート境界は深さ50km前後です。それよりも浅く、地震のメカニズムからも陸域のプレート内部で起きたと考えられます。

国内:周防灘が震源の震度3以上は9年ぶり

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周防灘の地震
26日(土)22時29分頃、周防灘を震源とするマグニチュード4.6、深さ約80kmと推定される地震が発生しました。この地震で広島県大竹市、江田島市、山口県下関市、上関町、下松市で最大震度3を観測しています。

周防灘を震源とする震度3以上の地震は2014年8月以来9年ぶりです。

周防灘の地下ではフィリピン海プレートが陸域のプレートに深く潜り込んでいます。今回の震源の深さはプレート境界に比較的近いと考えられます。

また、それとは別に周防灘断層帯が知られており、政府の地震調査研究推進本部では今後30年以内にマグニチュード7.6程度の地震の発生確率を2〜4%としています。断層活動による地震の発生確率としては高い部類です。

世界:アルゼンチンでM6.2の深発地震

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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しています。最も大きな地震はアルゼンチンで起きたマグニチュード6.2です。

日本時間の23日(水)深夜、南米・アルゼンチン北部を震源とするマグニチュード6.2、深さ約569kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは東西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

震源が非常に深い深発地震だったため、地表付近では目立った揺れはみられませんでした。今月5日にもほぼ同じ震源で同規模の地震があったばかりです。

南米大陸はナスカプレートが南アメリカプレートに沈み込んでおり、チリなど太平洋沿岸では浅い所で巨大地震がしばしば発生している領域です。海から離れるほど震源は深くなり、今回の震源に近いアルゼンチン北部では深さ500〜600kmあたりで地震が起きています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。