水羊羹はどうやって作られている?
まず、水羊羹はどのような原料からできているのでしょうか。
「羊羹には水羊羹のほかに、練羊羹と蒸(むし)羊羹があります。
羊羹の原料は寒天と砂糖、小豆で、それぞれを練って、煮詰めて作ります。
水羊羹は寒天の量を練羊羹よりも少なくして水分を増やし、煮詰めないようにして型に流し込み、固めて作るという違いがあります。
水羊羹の特徴である“つるん”とした食感は、練羊羹に比べて水分が多く含まれているからなのです。
蒸羊羹は、羊羹のなかでも最も歴史が古く、栗蒸羊羹や芋(いも)羊羹がよく知られています。蒸羊羹は小豆に小麦粉やくず粉などを混ぜて栗や芋を加え、蒸して固めて作ります」(笹屋伊織)
「羊羹には水羊羹のほかに、練羊羹と蒸(むし)羊羹があります。
羊羹の原料は寒天と砂糖、小豆で、それぞれを練って、煮詰めて作ります。
水羊羹は寒天の量を練羊羹よりも少なくして水分を増やし、煮詰めないようにして型に流し込み、固めて作るという違いがあります。
水羊羹の特徴である“つるん”とした食感は、練羊羹に比べて水分が多く含まれているからなのです。
蒸羊羹は、羊羹のなかでも最も歴史が古く、栗蒸羊羹や芋(いも)羊羹がよく知られています。蒸羊羹は小豆に小麦粉やくず粉などを混ぜて栗や芋を加え、蒸して固めて作ります」(笹屋伊織)
「水羊羹」「ういろう」の違いは?
水羊羹に見た目が似た和菓子として、「ういろう」があります。それぞれ、どのような違いがあるのでしょうか。
「ういろうは、見た目から羊羹に似た和菓子と思われがちですが、原料は羊羹とは違って米粉などの穀粉に砂糖を混ぜたものです。
素材を蒸して固めるという製法は蒸羊羹と似ていますが、羊羹とはまったく別種の和菓子といえるでしょう」(笹屋伊織)
「ういろうは、見た目から羊羹に似た和菓子と思われがちですが、原料は羊羹とは違って米粉などの穀粉に砂糖を混ぜたものです。
素材を蒸して固めるという製法は蒸羊羹と似ていますが、羊羹とはまったく別種の和菓子といえるでしょう」(笹屋伊織)
いつ頃から食べられている?
羊羹はどんな歴史をもった和菓子なのでしょうか。
「羊羹のルーツが中国にあることは、比較的よく知られています。古い時代の中国では、羊肉の煮こごりのことを『羊羹』と呼びました。
鎌倉時代に牛肉の煮こごりである『羊羹』が日本に伝来しましたが、当時は仏教思想の関係で動物の殺生(せっしょう)が禁じられていたため、小豆や小麦粉など植物性の素材を使って、中国の『羊羹』をアレンジした食べ物が作られました。
これがいまの和菓子の羊羹の始まりとされています」(笹屋伊織)
水羊羹は昔から夏場に食べられていたのでしょうか。
「水羊羹は、昔はおせちのデザートとして食べられた、冬場の和菓子だったようです。水羊羹は糖度が低くて日持ちしないため、夏場には傷みやすかったためです。
保存技術の発達によって、水羊羹はいまでは“夏の風物詩”といえる和菓子になっています」(笹屋伊織)
水羊羹をおいしく食べるポイントはどのようなものでしょうか。
「やはり水羊羹を冷やして、ひと口サイズに切り分けながらいただくのがおすすめです。そうすると一層、みずみずしくひんやりとした餡子(あんこ)の甘さが口の中に広がります。
さらに、水羊羹にはビタミンB1が多く含まれていますので、疲労回復にも効果があります。夏バテで食欲が出ないときこそ、召し上がっていただきたい和菓子です」(笹屋伊織)
なめらかな口当たりが美味しい、夏場のぜいたくともいえる涼菓・水羊羹。猛暑の夏を少しでも快適にしのぐためにも、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
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「羊羹のルーツが中国にあることは、比較的よく知られています。古い時代の中国では、羊肉の煮こごりのことを『羊羹』と呼びました。
鎌倉時代に牛肉の煮こごりである『羊羹』が日本に伝来しましたが、当時は仏教思想の関係で動物の殺生(せっしょう)が禁じられていたため、小豆や小麦粉など植物性の素材を使って、中国の『羊羹』をアレンジした食べ物が作られました。
これがいまの和菓子の羊羹の始まりとされています」(笹屋伊織)
水羊羹は昔から夏場に食べられていたのでしょうか。
「水羊羹は、昔はおせちのデザートとして食べられた、冬場の和菓子だったようです。水羊羹は糖度が低くて日持ちしないため、夏場には傷みやすかったためです。
保存技術の発達によって、水羊羹はいまでは“夏の風物詩”といえる和菓子になっています」(笹屋伊織)
水羊羹をおいしく食べるポイントはどのようなものでしょうか。
「やはり水羊羹を冷やして、ひと口サイズに切り分けながらいただくのがおすすめです。そうすると一層、みずみずしくひんやりとした餡子(あんこ)の甘さが口の中に広がります。
さらに、水羊羹にはビタミンB1が多く含まれていますので、疲労回復にも効果があります。夏バテで食欲が出ないときこそ、召し上がっていただきたい和菓子です」(笹屋伊織)
なめらかな口当たりが美味しい、夏場のぜいたくともいえる涼菓・水羊羹。猛暑の夏を少しでも快適にしのぐためにも、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
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参考資料など
取材協力・画像提供/笹屋伊織(本店・京都市下京区)