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二十四節気「小暑」
人に話したくなる七夕の意味とは?

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2023/07/07 04:53 ウェザーニュース

7月7日は二十四節気「小暑(しょうしょ)」で、夏が本格化する頃。例年では梅雨明けと重なることが多く、日に日に暑さが厳しくなっていく時季です。小暑と大暑の期間をあわせて「暑中」といいます。相手の健康を気遣って、暑中見舞いを送る時季でもありますね。

まとわりつく暑気にうんざりしがちですが、夏ならではの楽しみもあるのではないでしょうか。

7月7日はどうして「七夕(たなばた)」なの?

「七夕」は古代、中国から伝わった伝説や「乞巧奠(きっこうでん、きこうでん)」という行事に、もともと日本にあった風習が結びついて誕生したといわれます。形を変えながら、今に受け継がれてきました。

まず古代中国の伝説から見てみましょう。

漢名では、わし座のアルタイルを牽牛星(けんぎゅうせい)、こと座のベガを織女星(しょくじょせい)といいます。牽牛星は牛飼いで、織女星は天帝の娘で、機織(はたお)りの名手だとされました。

彼らはめでたく結婚したものの、互いに夢中になりすぎて、仕事を怠けるようになってしまいます。怒った天帝は二人を引き離しますが、嘆き悲しむ二人を憐(あわ)れみ、年に一度、7月7日だけ、天の川(あまのがわ)を渡って会うことを許しました。

ちなみに、「七夕」は本来、旧暦7月7日の行事ですから、立秋のころです。そのため歳時記では秋の季語になっています。

七夕といえば、星に願い事をする風習もありますが、これは中国の「乞巧奠」という行事に由来します。乞巧奠は7月7日に星をまつり、裁縫や手芸の上達を祈願する行事です。

江戸時代になると、短冊に願い事を書いて、笹につるすようになりました。

一方、古代日本では、若い女性が、お盆に先立って機織り小屋にこもり、神に捧げる衣を織ったそうです。この女性を「棚機津女(たなばたつめ)」と呼びました。

七夕の語源はこの棚機津女からきたといわれます。

また、日本では、牽牛星は彦星(ひこぼし)、織女星は織姫星(おりひめぼし)と呼ばれてきました。(「織姫星」は「織姫」と略すこともあります」)

七夕には、そうめんを食べる習わしもあります。

短冊に願いをしたため、夜空を見上げ、星の恋物語に思いを馳せ、そうめんをいただく。これはなんとも平和な一日といえるかもしれません。

小暑のころに咲く「蓮(はす)の花」

二十四節気の各節気をそれぞれ3つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、小暑の次候は「蓮始開(はすはじめてひらく)」となっています。

確かに、小暑のころには、開花した蓮の花を見ることができます。

泥の中から美しい花を咲かせる蓮は、仏教では神聖な花とされ、極楽浄土の象徴でもあります。

蓮の地下茎は野菜の蓮根(レンコン)としておなじみです。蓮の実も、お茶菓子などとして食べることがあります。

各地の池や沼、水田などで蓮の花を見ることができますが、蓮の花が咲くのは、未明から早朝。午後にはしぼんでいることが多いので、蓮の花を見るには、早めに出かけたいものです。

夏祭りや花火大会には「浴衣」を着る?

「浴衣」は「湯帷子(ゆかたびら)」が略されてできた言葉です。

かつて蒸し風呂だった時代、上流階級の人は入浴の際に、単衣(ひとえ)の衣を着用しました。これが湯帷子です。

江戸時代になり、湯船に浸かるようになると、湯上がりの汗を拭いたり、浴衣でくつろいだりするようになりました。

その後、夏のくつろぎ着として広まりましたが、現代では、おしゃれ着感覚で着られるようになっています。

夏祭りや花火大会などのイベントは浴衣を着て、出かけてみるのも楽しいでしょう。

昔からあった「酷暑」

「大暑」の前の「小暑」ではありますが、近年は小暑のころには、すでに猛烈な暑さの日が続くようになりました。

夏の厳しい暑さを表す表現の一つに「酷暑」があります。

昔の人たちも、夏の暑さには悩まされていたようです。当時の俳句からも、その様子がうかがえます。

〜静脈の浮き上り来る酷暑かな~横光利一(よこみつりいち)

〜わが寿命ちぢむ思ひの酷暑かな〜吉良比呂武(きらひろむ)

血管や寿命にも影響を与えかねない酷暑の夏。現代の私たちは、冷房機器を上手に使うなど、厳しい暑さへの対策が欠かせません。


小暑の後に、まだ大暑が控えていると思うと、閉口してしまいますが、熱中症などに対する対策をしっかりとったうえで、夏ならではの風物や行事を楽しんでいきましょう。

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参考資料など

監修/山下景子:作家。『二十四節気と七十二候の季節手帖』(成美堂出版)や『日本美人の七十二候』(PHP研究所)など、和暦などから日本語や言葉の美しさをテーマとした著書が多数ある。