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週刊地震情報 2023.6.25
沖縄から北海道の各地で震度3の地震が発生

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2023/06/25 10:42 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べると若干多い水準です。

東日本の内陸部や北海道の周辺で地震が目立ちました。震度3以上の地震は沖縄から北海道の広範囲で、合計6回発生しています。(6月19日~25日10時の集計)

また、24日(土)未明には北海道・宗谷東方沖のオホーツク海で深発地震が発生し、「異常震域」が現れました。
» 関連記事 “異常震域”と呼ばれる震度分布

国内:沖縄本島近海でM5.2の地震

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沖縄本島近海の地震
22日(木)10時24分頃、沖縄本島近海を震源とするマグニチュード5.2、深さ39kmと推定される地震が発生しました。この地震で沖縄県名護市、沖縄市、うるま市などで最大震度3を観測しています。

沖縄本島近海が震源の地震で震度3以上を観測するのは、昨年8月22日以来、10ヶ月ぶりです。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

南西諸島はフィリピン海プレートが沈み込むことでしばしば地震が発生し、沖縄本島付近では深さ40km前後がプレート境界面とみられています。今回の地震は境界に近い深さですが、地震のメカニズムからプレート内部の地震と考えられます。

沖縄本島近海の地震は、島から南東に少し離れた琉球海溝に近い領域で規模の大きなものが起きており、2010年にはマグニチュード7.2、最大震度5弱の地震が発生しました。

国内:北海道・十勝地方南部で最大震度3の地震

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十勝地方南部の地震
19日(月)13時50分頃、北海道・十勝地方南部を震源とするマグニチュード5.0、深さ59kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道浦河町、幕別町、浦幌町、広尾町で最大震度3を観測しています。

十勝地方南部を震源とする震度3以上の地震は昨年9月24日以来、9ヶ月ぶりです。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ、逆断層型と解析されています。

今回の地震が起きた日高山脈に近い領域は、知られている活断層こそないものの、しばしば規模の大きな地震が起きています。2012年には少し南側でマグニチュード6.1の地震が起き、最大震度5弱の強い揺れに見舞われました。

また、十勝地方は平野部に分布する十勝平野断層帯があり、政府の地震調査研究推進本部は、断層帯全体が活動した場合、マグニチュード8.0程度の大規模な地震になる可能性があるとしています。

世界:メキシコ沖のカリフォルニア湾でM6.4の地震

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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しました。最も大きなものはメキシコの沖合で発生したマグニチュード6.4です。

日本時間の19日(月)早朝にメキシコ沖でマグニチュード6.4、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。震源はカリフォルニア湾の出口の辺りで、陸地には強い揺れは到達していません。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

今回の震源は太平洋プレートと北米プレートの境界付近で、横ずれ断層が卓越している領域です。カリフォルニア湾はプレート境界に沿うような形で形成されており、同じようなタイプの地震がしばしば発生しています。最近では2012年にカリフォルニア湾北部でマグニチュード7.0の地震が起きました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。