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大きいのはどっち? ガクアジサイとヤマアジサイの見分け方

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2023/06/09 05:00 ウェザーニュース

6月に入り、西日本ではアジサイが見頃を迎えています。東日本でも開花が進んでいます。

アジサイの原産国は日本ですが、改良されて逆輸入された品種も少なくありません。自生している日本固有品種の代表格が、ヤマアジサイとガクアジサイです。

その2つのアジサイの見分け方を、日本花の会研究員の小山徹さんに教えていただきました。
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ガクアジサイとヤマアジサイの概要

分布や開花時期、生育している場所はどう違うのでしょうか。

「和名ヤマアジサイ(山紫陽花)は、おもに太平洋側の福島県から四国・九州地方にかけて分布しています。例年の開花時期は5月下旬頃から6月頃まで。半分日陰になっているような湿り気のある林や沢に生育しているのが特徴です。沢に多いことから、別名サワアジサイとも呼ばれます。

和名ガクアジサイ(額紫陽花)は、おもに関東地方、中部地方、伊豆諸島、小笠原諸島などに分布しています。例年の開花時期は6月中旬から7月頃まで。生育環境は、日向を好みますが、日陰でも湿地でも育つのが特徴です」(小山さん)

ガクアジサイとヤマアジサイの見分け方

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樹形はどう違うのでしょうか。

「背丈は、ヤマアジサイが1~2mと低めで、ガクアジサイは2~3mと高めです。

葉は、ヤマアジサイはうぶ毛が多く、薄手で光沢がありません。ガクアジサイは、うぶ毛が少なく、厚手でやや光沢があります」(小山さん)

花びらはどうでしょうか。

「みなさんが鑑賞している花びらのようなものは装飾花で、ガクが変化したものです。品種などにもよって変わるので樹形や葉ほど区別はしにくいですが、一般的にヤマアジサイの装飾花は小ぶりで華奢な感じです。ガクアジサイの装飾花は、大きく華やかな感じがします」(小山さん)

アジサイは花色が土壌で変わる?

花色は青やピンクがありますが、ヤマアジサイかガクアジサイかで決まっているのでしょうか。

「アジサイの花色は、土壌によって変わります。土中のアルミニウムが吸収され、アントシアニン系色素と結合して発色するのです。アルミニウムは酸性土壌でよく溶け、アルカリ土壌では溶けません。そのため、土を酸性にすれば青花になり、中性~アルカリ性にすればピンク花になります。

ただし、白花には色素がないため酸度を変えても変化しません。また、種類によっては変化しないものもあります」(小山さん)

自生しているアジサイが、ヤマアジサイかガクアジサイか見分けられるようになると、アジサイの鑑賞がいっそう楽しくなるのではないでしょうか。
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