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除湿効果を高めるアイテムとは 梅雨時にやっておきたい床下のカビ対策

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2023/06/07 04:59 ウェザーニュース

梅雨入りした地域も増え、湿度が高くジメジメした時季になりました。すでに湿気によるカビ対策を始めたという方も多いと思います。しかし意外に見過ごしがちなのがキッチンの床下収納スペースです。

本格的な梅雨がやってくる前に済ませておきたい床下収納のカビ対策について、全国で家事代行サービスなどを展開するカジタク・サプライヤチームの鈴木健吾さんに、アドバイスを頂きました。

床下収納はカビ注意

食材などの保存に便利なキッチンの床下収納スペースですが、ものを収めたきりで開け閉めがなされないまま放置してしまうこともありがちです。湿気がこもり、カビが発生しやすい床下収納スペースは、どのような点に注意しておくべきでしょうか。

「キッチンの床下収納スペースには、調味料や保存食品を入れておく傾向が多くみられます。取り出したものをそのまま食べるケースは少ないと思いますが、“口に入れるもの”を収める場所だからこそ、しっかりとカビ予防対策をしておくことが必要です。

床下の収納に向いているものとしては、主に未開封の缶詰や瓶詰め、缶飲料や瓶飲料、味噌や梅干しなどの保存食が挙げられます。非常時のための非常食も長期保存が可能で使用頻度が低いので、床下に収納しておくケースが多いと思われます。

ただし、食材によってはカビが生えやすかったり、腐りやすかったりするものも少なくありません。食品を収納する場合は、カビが生えやすいものかどうかなど、その特性を十分に理解しておく必要があります」(鈴木さん)

カビ予防の3つのポイント

梅雨どきにやっておきたい食品の床下収納のカビ予防対策には、主に次の3つのポイントが大切だと言います。

(1)洗剤を使用する

「言うまでもありませんが、まず床下収納スペースを清潔に保つことが第一です。少なくとも年に1度、特に梅雨時には収納しているものを全部出して拭き掃除をしましょう。

拭き掃除でしっかり床下収納スペースの汚れを落としたら、75%以上の濃度の消毒用エタノール(100%は不可)500mlに対して10%濃度の塩化ベンザルコニウムを20ml混ぜた液を作り、スプレーボトルに入れてまんべんなく吹きかけていきます。

消毒用エタノールと塩化ベンザルコニウムは、大きなドラッグストアで購入できます」(鈴木さん)

(2)収納する量を考える

「床下への収納はぎゅう詰めにせず、8分目程度に抑えましょう。『いつ入れたかわかならない』などということがないように整理整頓し、取り出しやすくしておくのもポイントです。

自家製の梅干しなどを長期保存する場合は、容器を密閉してから前述したスプレー液を容器の外側に吹きかけて、しっかりと乾燥させてから収納する『ドライコーティング』もカビ予防に効果があります」(鈴木さん)

(3)換気も重要なポイント

「床下収納スペースにカビの原因となる湿気をこもりにくくするために、扉(ふた)を開けて、時々は換気するように心がけてください。

毎日開ける場所ではないため、食材の賞味期限が切れてしまっていることに気づかなかったという場合もよくありますので、換気した際に収納している食品それぞれについて、賞味期限などをチェックしておくといいでしょう」(鈴木さん)

除湿効果を高めるためのアイテムとは

床下収納スペースの除湿効果を高めるために有効なアイテムはありますか。

「新聞紙が効果的です。収納スペースの底に新聞紙を敷くだけで、効果的なカビ対策になります。さらにキッチン用の除湿剤を置いておくことで、除湿効果をより高めることができます。

雨で靴の中が湿ってしまったとき、靴の中に丸めた新聞紙を入れた経験がある方は多いと思います。それと同様の効果で、新聞紙が収納スペース内の湿気を吸い取り快適な湿度に保ってくれて、カビ対策につながるのです。湿気を吸い取った新聞紙は定期的に取り替えるようにしてください。除湿剤のかわりに備長炭を置けば、消臭効果も期待できます」(鈴木さん)

もしカビが生えてしまったら?

すでにカビが生えていたり、対策を施してもカビが生えてしまったりしたという場合、どのような対処法がありますか。

「薬局などで販売されている『次亜塩素酸ナトリウム有効塩素4%未満』を使って、カビを除去することをお勧めします。作業を行う際の注意点は、必ず色落ちしにくい服・マスク・メガネ・手袋を着用してください。

次亜塩素酸ナトリウム1:水5の割合で希釈した液をスプレーに入れて、カビに向けて噴射し、15~20分たったら拭き取ります。この作業をすべてのカビが除去されるまで繰り返します。

カビはある程度繁殖すると倍々に増えていくので、早めの除去作業が必須です。食べ物を床下収納している方は目立ったカビが無くても、次亜塩素酸ナトリウム溶液による拭き取りを定期的に行うといいでしょう」(鈴木さん)

湿気が多くカビが発生しやすい本格的な梅雨が到来する前に、床下収納スペースの清掃と整理整頓を行い、カビの予防の対策に努めましょう。

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参考資料など

取材協力:アクティア株式会社(https://www.kajitaku.com/)