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今年の桜 春の記録的な高温で開花が早かった 回答も9割超

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2023/05/30 13:50 ウェザーニュース

今年は各地で桜の開花が記録的な早さとなりました。ウェザーニュースでアプリのユーザーに今年の桜に関するアンケート調査を実施したところ、約9割が今年の桜の開花は早かったと感じています。
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3月と4月の暖かさで開花が早まった

気象台の観測では、今年の桜の開花時期は全国的に概ね平年より早く、全国の観測地点53地点のうち27地点で最早記録を更新しました。特に、北日本や東日本ほど開花の早さが顕著で、平年より1週間〜2週間程度早くなりました。

ユーザー調査の結果では全体の91%が「早かった」と回答しています。去年は48.7%でしたので、今年は異常なほどに早く感じられたことがわかります。エリア別の回答では気象台による観測と同様の傾向がみられ、北日本や東日本で「早かった」という回答が9割を超えていました。九州や四国は他の地域に比べて「遅かった」の回答が多めになっています(記事冒頭の画像参照)。
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冬から春にかけての気温(平年差)の経過
冬から春にかけての気温を見ると、2月末から全国的に高温傾向が続き、3月は北~西日本で平年よりかなり高くなっています。3月の月平均気温は北日本と東日本で統計開始以降1位、西日本は1位タイの高温でした。4月も北日本と東日本で平年よりかなり高く、月平均気温は北日本で統計開始以降1位タイの高温となりました。桜のつぼみの生長は、開花前のおよそ2か月間の気温が高いほど早い傾向があり、北日本や東日本はこの期間の気温が平年よりもかなり高かったため、開花も早くなったと考えられます。

一方で、九州では気象台による桜の開花発表が去年よりやや遅い地点がありました。桜の花芽は前年の夏に作られたあと、真冬に一定期間厳しい寒さにさらされることで、その後に休眠から目覚めます。これを「休眠打破(きゅうみんだは)」といいます。西日本では、2022年12月は中旬以降に強い寒気が南下し低温の日が多くなったものの、11月や1月中旬は気温の高い日がありました。そのため、特に九州など低温の期間が短かったところでは休眠打破はしっかり行われなかった可能性があり、開花が少し遅くなった可能性があります。

見頃期間は長めで8.1日間

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見頃シーズンの長さ
都道府県ごとに算出した「見頃シーズン」の期間は全国平均で8.1日間となり、昨年と同様の長さでした。中部以西は少し見頃期間が長く、東北は他のエリアより少し短く6.8日でした。

3月後半から4月上旬は気温が高く、寒の戻りはあっても一時的で、見頃の期間を大きく伸ばすほどではなかったようです。
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見頃の長さはどうだったかの回答
見頃の長さはどうだったかについてのアンケートでは、全体の20%が「長かった」、44.7%が「短かった」と回答しています。東北では「短かった」と感じた方が多くなりました。

去年は「長かった」の回答が22%、「短かった」の回答が36%でした。

今年は、関東や西日本で短く感じた人が去年より増えていました。ちょうど桜が見頃だった3月末に前線や低気圧が本州南岸を度々通過し、太平洋側の地域を中心に曇りや雨となることがあったため、見頃の桜を楽しめた日数は実際の見頃シーズンの長さより短く感じられたのかもしれません。

調査概要

質問:「桜の開花の時期は?」
調査日:2023年4月5日〜6日、16日〜17日、24日〜25日、5月11日〜12日
回答者数:8,737人
選択肢:早かった、遅かった、その他、わからない

質問:「桜の見頃期間の長さは?」
調査日:2023年4月17日〜18日、25日〜26日、5月12日〜13日
回答者数:8,917人
選択肢:長かった、短かった、例年通り

このほかの調査結果については、調査結果紹介ページに掲載しています。