なぜ秋に食中毒が増えるのか?
暑さや湿気で食べ物が傷みやすい印象がある梅雨どきや夏場に比べて、比較的乾燥して気温も下がるはずの10月の食中毒件数が多いというのは、数値に現れているのでしょうか。
「食中毒は年間を通して発生しています。厚生労働省の2017年から2021年まで5年間の統計によると、食中毒発生件数が平均で最も多い月が10月で約100件と、続く3月と9月の約90件を上回っています。
直近の2021年も10月は最多の3月とほぼ同じ、約90件が発生しています。11月も約80件と、3番目に食中毒が多い月でした」(吉田院長)
「食中毒は年間を通して発生しています。厚生労働省の2017年から2021年まで5年間の統計によると、食中毒発生件数が平均で最も多い月が10月で約100件と、続く3月と9月の約90件を上回っています。
直近の2021年も10月は最多の3月とほぼ同じ、約90件が発生しています。11月も約80件と、3番目に食中毒が多い月でした」(吉田院長)
秋に食中毒が多いのはなぜなのでしょうか。
「食中毒の原因は細菌・ウイルス・寄生虫など色々ありますが、特に秋に注意したいのは(1)細菌、(2)寄生虫、(3)自然毒の3つです。
秋は行楽シーズンですので、弁当を持参してのハイキングや屋外でのバーベキュー、さらに祭礼などの機会も多くなります。その際、食材に付着していた細菌が原因となって発生する食中毒も少なくありません。秋は夏に比べて細菌への備えがおろそかになりがちなので、気をつける必要があります。
また、アニサキスなど寄生虫の食中毒も秋に増える傾向があります。サンマやサバ、サケなどのアニサキスが寄生する魚介類が旬を迎え、口にする機会が増えるからです。
これに加えて、自然毒によるものがあります。秋はキノコなどの自然毒が原因となる食中毒が増える傾向にあるのです。自然毒は旬を迎えたフグや野草にも含まれますので、注意が必要です」(吉田院長)
「食中毒の原因は細菌・ウイルス・寄生虫など色々ありますが、特に秋に注意したいのは(1)細菌、(2)寄生虫、(3)自然毒の3つです。
秋は行楽シーズンですので、弁当を持参してのハイキングや屋外でのバーベキュー、さらに祭礼などの機会も多くなります。その際、食材に付着していた細菌が原因となって発生する食中毒も少なくありません。秋は夏に比べて細菌への備えがおろそかになりがちなので、気をつける必要があります。
また、アニサキスなど寄生虫の食中毒も秋に増える傾向があります。サンマやサバ、サケなどのアニサキスが寄生する魚介類が旬を迎え、口にする機会が増えるからです。
これに加えて、自然毒によるものがあります。秋はキノコなどの自然毒が原因となる食中毒が増える傾向にあるのです。自然毒は旬を迎えたフグや野草にも含まれますので、注意が必要です」(吉田院長)
細菌は「予防三原則」を徹底
細菌性食中毒予防へ厚労省は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」の三原則の徹底を呼びかけています。具体的には、どのようにすればいいでしょうか。
「細菌をつけないためには手洗いはもちろん、弁当箱などの容器や調理器具を洗剤でよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒して十分に乾燥させる必要があります。食材も流水でよく洗う必要がありますが、肉類は水洗いすると付着している細菌が飛び散ってしまう可能性があるので、加熱殺菌してください。
細菌を増やさないためには食材の水分を切って、食べるまでの間の繁殖を防ぎます。煮物は盛り付けカップで仕切るなど、食材の保存と詰め方を工夫してください。水分が出やすいレタスやサラダ菜は、避けたほうが無難です。
細菌をやっつけるためには、加熱が必須です。肉料理は中心部が1分間以上75℃を超えるのが目安です。卵料理は固まるまで加熱し、ハムなどの加工食品も念のため加熱調理してください。
作り置きの総菜を使うときは、必ず火を通してから冷まして容器に入れること。ごはんも蒸気がこもらないよう、冷ましてから詰めるようにしましょう」(吉田院長)
「細菌をつけないためには手洗いはもちろん、弁当箱などの容器や調理器具を洗剤でよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒して十分に乾燥させる必要があります。食材も流水でよく洗う必要がありますが、肉類は水洗いすると付着している細菌が飛び散ってしまう可能性があるので、加熱殺菌してください。
細菌を増やさないためには食材の水分を切って、食べるまでの間の繁殖を防ぎます。煮物は盛り付けカップで仕切るなど、食材の保存と詰め方を工夫してください。水分が出やすいレタスやサラダ菜は、避けたほうが無難です。
細菌をやっつけるためには、加熱が必須です。肉料理は中心部が1分間以上75℃を超えるのが目安です。卵料理は固まるまで加熱し、ハムなどの加工食品も念のため加熱調理してください。
作り置きの総菜を使うときは、必ず火を通してから冷まして容器に入れること。ごはんも蒸気がこもらないよう、冷ましてから詰めるようにしましょう」(吉田院長)
アニサキスは加熱・冷凍で死滅させる
この時季に旬を迎える魚介類の寄生虫対策は。
「サバ・アジ・サンマ・カツオ・イワシ・サケ・イカなどに寄生するアニサキスが原因による食中毒は、猛烈な腹痛を起こします。アニサキスの幼虫は長さ2〜3cm、幅1mmくらいで、少し太い白い糸のように見えます。目視で取り除くのは難しいので、加熱・冷凍で死滅させてください。
アニキサスは加熱の場合、70℃なら瞬時、60℃では1分くらい、冷凍の場合は-20℃以下なら24時間で死滅するといわれていますが、家庭用冷蔵庫は-20℃以下に下がらない場合もあるので、48時間以上の冷凍がおすすめです。
コロナ対策の効果もあって、細菌・ウイルスが原因の食中毒は減少傾向にありますが、寄生虫が原因の食中毒は減っていませんので、注意してください」(吉田院長)
「サバ・アジ・サンマ・カツオ・イワシ・サケ・イカなどに寄生するアニサキスが原因による食中毒は、猛烈な腹痛を起こします。アニサキスの幼虫は長さ2〜3cm、幅1mmくらいで、少し太い白い糸のように見えます。目視で取り除くのは難しいので、加熱・冷凍で死滅させてください。
アニキサスは加熱の場合、70℃なら瞬時、60℃では1分くらい、冷凍の場合は-20℃以下なら24時間で死滅するといわれていますが、家庭用冷蔵庫は-20℃以下に下がらない場合もあるので、48時間以上の冷凍がおすすめです。
コロナ対策の効果もあって、細菌・ウイルスが原因の食中毒は減少傾向にありますが、寄生虫が原因の食中毒は減っていませんので、注意してください」(吉田院長)
キノコ狩りも要注意
毒キノコも気になる時季です。
「特に毒キノコで注意したいのは、食用のキノコによく似た形のツキヨタケ、クサウラベニタケの2種類です。この2種類がキノコ毒による食中毒の約7割を占めています。
キノコ狩りで採ってくるものだけでなく、市販のキノコでも食べ過ぎたり加熱不十分だったりして、食中毒を起こした例もあります。食用の判断がつきにくいキノコは採らない・食べない・人にあげないことが大切です」(吉田院長)
秋は夏を乗り越えた疲れが知らず知らずのうちにたまり、体の免疫力も低下しがちで食中毒を発症しやすい状態になっているといいます。また、冬にかけてノロウイルスも繁殖し始める時季ですから、注意が必要です。
「予防三原則」の徹底など食中毒対策を十分に行い、「食欲の秋」を満喫しましょう。
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「特に毒キノコで注意したいのは、食用のキノコによく似た形のツキヨタケ、クサウラベニタケの2種類です。この2種類がキノコ毒による食中毒の約7割を占めています。
キノコ狩りで採ってくるものだけでなく、市販のキノコでも食べ過ぎたり加熱不十分だったりして、食中毒を起こした例もあります。食用の判断がつきにくいキノコは採らない・食べない・人にあげないことが大切です」(吉田院長)
秋は夏を乗り越えた疲れが知らず知らずのうちにたまり、体の免疫力も低下しがちで食中毒を発症しやすい状態になっているといいます。また、冬にかけてノロウイルスも繁殖し始める時季ですから、注意が必要です。
「予防三原則」の徹底など食中毒対策を十分に行い、「食欲の秋」を満喫しましょう。
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