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行楽シーズンに知っておきたい、乗り物酔いを防ぐ裏ワザ

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2022/09/17 05:05 ウェザーニュース

行楽の秋、シルバーウィークにお出かけの予定を立てている人も多いのではないでしょうか。ただ、乗り物酔いが心配な人もいるようです。

ウェザーニュースで「乗り物酔い」に関するアンケート調査を実施したところ、男性は「よく酔う」が5%、「たまに酔う」が22%だったのに対して、女性は「よく酔う」13%、「たまに酔う」35%という結果で、女性の方が酔う人の割合が多いことが分かります。

また、年代別に詳しく見ると、年代が上がるに連れて、「ほとんど酔わない」の割合が増える傾向にあるようです。
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乗り物酔いが起きるメカニズムと対策をウェザーニューズ気象病顧問アドバイザー・愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生に教えていただきます。

“酔う”原因は脳の混乱?

そもそもなぜ乗り物に乗ると、乗り物酔いは起きるのでしょうか。

「乗り物酔いのベースには、脳の混乱があると考えられています。人にはさまざまなセンサーが備わっており、外界の変化を感知しています。視覚からの情報もその1つです。

そして、耳の奥にある内耳にある三半規管や耳石器などは、回転などの体の動きや気圧の変化を感じ取っています。普段あまり意識することはないかもしれませんが、平衡感覚を司る重要なものです。

乗り物に乗っているときは、目で見ている情報と内耳で感知する情報にズレが生じやすいのです。例えば、乗り物のなかでスマートフォンの画面を見ていれば、視点は基本的に固定されます。

ところが、内耳は乗り物の揺れや微かな気圧の変化などを感知します。脳には目からの『動いていない』という情報と、内耳からの『体が動いている』という情報が伝わり、混乱してしまいます。

すると自律神経に異常な興奮が起こり、血圧が下がり気分が悪くなり、冷や汗やだるさ、頭痛、吐き気など、乗り物酔いの症状が起きるのです。

逆に、映画館などの大きなスクリーンで揺れる映像を見たり、ゲームなどで画面に集中するとき、乗り物酔いを起こすこともあります」(佐藤先生)

乗り物酔いの対策は?

乗り物に乗る予定があるときは、十分な睡眠をとっておく、空腹や満腹を避けるなど体調を整えておくのが役立つといいます。

「体調に不安があると神経が過敏になりやすいからです。また、乗り物のなかで本を読んだり、スマートフォンやタブレットの画面に集中するのを避けましょう。心配ならば酔い止めの薬を飲んでおくのもいいでしょう。

そのほか、乗り物に乗るときにはなるべく乗り物酔いしにくい席を選ぶとよいです。新幹線ならば気圧が比較的変化しにくい中央付近の車両で席では進行方向を向く、自動車は進行方向が見やすい席、船なら揺れにくい中央付近などです」(佐藤先生)

それでも、乗り物酔いが不安なときの裏技も教えていただきましょう。

乗り物酔いに効く裏ワザ

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▼ツボ「内関(ないかん)」

手の平を広げた時に手首から肘にかけて走る2本の筋の真ん中で、手首の曲がりジワから肘に向かって指3本分下がったところにある。目印として米粒を絆創膏で貼っておき、時々押すと良い。

「乗り物酔いや悪阻によいとされるツボです。薬が飲めないときに使えて便利です」(佐藤先生)

▼首のストレッチ

首の筋肉をほぐすように、ストレッチをする。

「首の骨の横にある脛骨(けいこつ)動脈は内耳の動脈につながっているので、首周りをほぐすと血行がよくなります。すると内耳のリンパ液の循環がよくなって、乗り物酔いを軽減します」(佐藤先生)

▼くるくる耳マッサージ

1分程度で、耳をゆっくり回しながらマッサージを行う。詳しいやり方は以下参照。

「内耳の血流を改善し、特に気圧の変化を苦手とする人の乗り物酔いに効果的です」(佐藤先生)
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▼ガムを噛む

ガムを噛んだり、チョコレートや飴をなめる。

「噛むことで顎の筋肉を使い脳への刺激となり、血糖値も上がるため、ある程度の効果が望めます。ほかに、チョコレートを食べたり、飴をなめるなど試して、自分に効くものを探してもよいでしょう」(佐藤先生)

秋の行楽シーズンの始まりです。乗り物酔い対策をして、お出かけを心ゆくまで楽しみましょう。
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