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花火大会でも熱中症注意! 大規模イベント特有のリスクとは!?

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2023/07/29 08:21 ウェザーニュース

夏の風物詩・花火大会が全国各地で開催されます。「花火を楽しむときには、熱中症対策を忘れずに」と横浜鶴見リハビリテーション病院(横浜市鶴見区)の吉田勝明院長は指摘します。花火大会の熱中症リスクと対策について教えていただきます。

花火大会に熱中症のリスク

新型コロナウイルス感染症流行の影響から数年ぶりに開催となる花火大会もあり、おでかけを予定している人もいるでしょう。

「それぞれの花火大会では新型コロナウイルス対策に配慮した運営がなされています。しかし、他にも気をつけて欲しいのが、熱中症対策です」(吉田院長)

花火大会は暑さも忘れる楽しいイベントですが、体調を崩すリスクがあります。例えば、約95万人が集まる隅田川花火大会(東京都墨田区)では、毎年9〜43名の救護者が発生し、うち熱中症患者は多い年で19名。ほぼ毎年熱中症患者が発生しているのです。
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「実は気分が悪くなったり、暑さでボーッとしてしまうなど軽度の熱中症は、もっと発生していると考えられます。花火大会のような夏季のイベントでは暑熱環境下にあり、熱中症リスクが高くなることがあるのです」(吉田院長)

人いきれと水分不足

暑熱環境が悪くなるとは、どういうことなのでしょうか。

「花火大会では、開放空間とはいえ大勢の人が限られたスペースに集まります。人の皮膚の表面温度は32〜33℃で、かなりの熱源となります。皮膚表面からの放熱に加えて、汗の蒸発、呼気、人混みによる風通しの悪化などが重なり、温度や湿度が上昇してしまうのです。

さらに、屋台やトイレなどで待機列ができたり、帰宅時の公共交通機関の出入り口付近など人が集中すれば、一気に暑熱環境が悪化します」(吉田院長)

確かに、花火大会では気づくと汗だく、クタクタということもあります。

「水分・塩分不足にもなりやすいのも問題です。汗をかいているのに、混雑から飲み物を買いに行くのをためらったり、トイレの問題もあって水分補給を控えがちです」(吉田院長)

日中からの場所取りも注意

体調面での注意も必要だといいます。

「長時間立っていたり、公共交通機関から会場まで移動したりと、花火大会では疲労しやすいものです。さらに、人気の花火大会では日中から場所取りをすることが珍しくありませんね。花火を見るのに適した場所は空が開けていて、日陰がないことが多い。長時間日差しのなかで待機するのは、体力をかなり消耗します。

また、今年は引き続き新型コロナウイルス感染症対策で、人が集う場所ではマスク着用の必要があります。顔の皮膚から熱を逃しにくくなったり、喉の渇きを自覚しづらくります。いつも以上に、熱中症に気をつけて欲しいと思います」(吉田院長)

水分補給と暑さ対策を万全に

熱中症対策は、出かける前から始まります。

「前夜は休養をしっかりとり、涼しい服装、水分などを準備します。日中から場所取りをする場合は帽子や日傘など日除けになるものも持参します。

観覧中もこまめな水分補給を心がけましょう。1時間にコップ1杯分が目安です。ただし、酒類は水分補給と考えないように。アルコールには利尿作用があるため、かえって熱中症を招く可能性があります」(吉田院長)

違和感があるときは、無理をしないことが大切です。

「暑くて辛いと思ったら、涼しい場所へ移動して水分補給をしましょう。気分が悪くなったり、頭がボーッとしているなら、熱中症の疑いがあります。衣服をゆるめて体の熱を逃し、冷たいペットボトルや濡らしたタオル等で首筋や両わきなどを冷やします。

めまい、吐き気、頭痛など熱中症の症状がある場合は、救護所へ。特に子どもや高齢者は症状を自覚しづらいので、同行する場合は注意してあげましょう。

また、帰りがけに倒れるなど体調を崩す例もあります。長時間同じ姿勢で見物したことから血行不良を起こし、急に立ち上がって脳への血流が不足したことが原因と考えられます。こまめな水分補給とともに、時々体を動かしたり、伸ばすなどしましょう」(吉田院長)

熱中症を起こしては、せっかくの花火の思い出も台無しになってしまいます。水分補給と暑さ対策にはくれぐれも気をつけましょう。
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写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
のりりん55さん

参考資料など

環境省「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020」(夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン検討委員)