桜の開花メカニズム
桜の花芽は、開花前年の夏にはできています。それが秋から冬にかけて、生長しないように休眠状態に入って年を越します。そして充分に低温刺激を受けた後に気温がぐっと高まった段階で休眠から目覚めます。これを「休眠打破(きゅうみんだは)」といいます。
気象情報会社などが行う開花予想では、この休眠打破の日を起算日として、温度変換日数を積算し、地点毎に定めた日数に到達した日を開花日と予想します。
自分でも簡単にできる予想の仕方
そういった正式なやり方を取らずとも、実は東京の桜については「600℃の法則」と呼ばれる手順を使えば、手軽におおまかな桜の開花を予想できます。内容はいたって簡単。
【600℃の法則】
つまり、2月1日を「休眠打破の日」と仮定して開花予想の起算点に設定し、そこから毎日の最高気温を足し算していくだけで桜の開花予想ができるのです。
これで実際に予想が当たるのでしょうか。今回、2010年〜2021年までの11年間について、気象庁のデータから東京都における600℃の法則の精度を調べてみました。
【600℃の法則】
2月1日以降の日最高気温の合計が600℃に達すると開花とする
つまり、2月1日を「休眠打破の日」と仮定して開花予想の起算点に設定し、そこから毎日の最高気温を足し算していくだけで桜の開花予想ができるのです。
これで実際に予想が当たるのでしょうか。今回、2010年〜2021年までの11年間について、気象庁のデータから東京都における600℃の法則の精度を調べてみました。
正の方向は開花日のほうが遅かったことを、負の方向は到達日のほうが遅かったことを示す
このグラフは、2月1日から日最高気温を足して、600℃を超えた日と、実際に開花が観測された日の間に何日の誤差が生じていたかを、年単位で示したものです。最大でも3日しかずれていないというのは、なかなかの精度ではないでしょうか。
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今年の「600℃の法則」は?
今年は2月いっぱい平年よりも寒い日が続いたため、昨年や一昨年と比べて積算気温が低く、つぼみの生長は低調に推移していました。3月に入ってからは気温の高くなる日が増えたため一気に巻き返し、ちょうど今日3月19日(土)に積算値が600℃に達しました。
今日の時点では東京・靖国神社にある桜の標本木の開花の発表はありませんでしたが、既にほころんでいるつぼみがあるため、早ければ明日にも開花の発表がある見通しです。
もし明日開花の発表があった場合は、「600℃の法則」の誤差は+1日となり、今年も精度がかなり高かったといえそうです。
ご自身の周囲の桜も、気温の観測値と照らし合わせると法則が発見できるかもしれません。……とはいえ計算するのが面倒な方は、ウェザーニュースの開花予想をぜひご活用ください。
» ウェザーニュースの桜開花予想・見頃情報
今日の時点では東京・靖国神社にある桜の標本木の開花の発表はありませんでしたが、既にほころんでいるつぼみがあるため、早ければ明日にも開花の発表がある見通しです。
もし明日開花の発表があった場合は、「600℃の法則」の誤差は+1日となり、今年も精度がかなり高かったといえそうです。
ご自身の周囲の桜も、気温の観測値と照らし合わせると法則が発見できるかもしれません。……とはいえ計算するのが面倒な方は、ウェザーニュースの開花予想をぜひご活用ください。
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参考資料など
品川区環境情報活動センター(http://shinagawa-eco.jp/index.php)