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春の“乾燥肌”に注意? その理由と対策は

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2022/03/13 05:09 ウェザーニュース

3月になると増えてくるのが肌の悩みです。毎年繰り返すという人も珍しくない春の肌荒れについて、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生に原因と対策を教えていただきます。

なぜ、3月の“乾燥肌”?

「春先は、目元のカサカサや頬のザラつきなどの『乾燥肌』を訴える人は少なくありません。ただ、その肌荒れのもとには春特有の様々な原因があり、保湿ケアのみで改善するとは限らないのです」と野村先生は説明します。

まず、挙げられるのが気温や紫外線量の変化です。

「季節の変わり目は寒暖差や湿度の変化などにより、皮脂の分泌が乱れやすくなります。皮脂は、肌にとって“保湿剤”の役割をしている大切なものです。また、春は地上に降り注ぐ紫外線量が急激に増え、刺激となります」(野村先生)

春の風が運んでくるものも、よくありません。

「風が巻き上げるホコリ、花粉、黄砂などが、肌に付着すると刺激となります。また、時節柄マスクが欠かせませんが、気温が高くなることでムレやすくなり、肌への負担が増します」(野村先生)

3月から4月にかけては進学や就職など環境の変化が多いものですが、これも肌荒れを悪化させてしまう場合もあります。

「たとえ喜ばしいことであっても、生活や環境の変化はストレスになることがあります。忙しさで睡眠不足になったり、無理を重ねてしまうこともあるでしょう。

このように春は様々な要因が重なり、肌の状態がゆらぎがちなのです」(野村先生)

“乾燥”や“かゆみ”を放置してはダメ

肌の乾燥やかゆみなどは、見た目や不快感だけの問題ではないといいます。

「肌がカサカサしているのは、バリア機能が低下している状態です。かゆみや赤みなどは、炎症反応が出始めていると考えられます。

肌は、菌やウイルスなどの異物や紫外線などの刺激から、体を守るための大切な臓器です。肌荒れが進むとバリア機能が壊れていき、ますます刺激に弱くなり、体調不良にもつながる可能性があります。肌をきれいに保つケアは、健康のためにも必要なことです」(野村先生)

早めの対策が肝心です。

春の刺激から肌を守るために

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前述したように、春の肌の状態がゆらぐ理由は様々です。原因となるものをなるべく除いて、肌の状態を健やかに保つことが大切です。

「外出するとホコリや花粉、黄砂など肌に刺激となるものがついてしまうことがありますので、家に帰ったタイミングですぐに洗顔して、汚れを落とすことが大切です。

洗顔は、ダブル洗顔が必要とは限りません。メイクや肌の状態に合わせましょう。朝の洗顔時は、乾燥や肌荒れの人はさっとぬるま湯で洗い、皮脂の多いTゾーンのみ洗顔料を使うことにしてもかまいません。洗顔の後は化粧水や乳液などで保湿します。

また、マスク部分の肌荒れが気になる人は、不織布マスクの下にシルクのインナーマスクやガーゼを入れて、時々交換するといいでしょう」(野村先生)

ストレスや食生活にも注意しましょう。

「患者さんのなかにも、自分でも気づかぬうちにストレスや疲労を溜めてしまっている人が多いと感じます。肌荒れが気になるときは、体からのサインと考え、睡眠や食生活を見直し、リフレッシュを心がけてみてくださいね」(野村先生)

一年でも行事が多い季節、肌の状態がストレスとならないようケアしていきましょう。

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