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気象庁の雨雲レーダーが点検で休止 ピンチを救った「ユーザー投稿」

2021/10/27 19:56 ウェザーニュース

今日27日(水)10時過ぎから、千葉県柏市にある気象庁の「東京レーダー」が点検のため運用休止しています。しかし、タイミング悪く関東の南の海上では雨雲が発生し、昼頃に東京都心を含む広範囲で雨を降らせました。

気象庁の雨雲レーダーにはこの雨を降らせたエコーが映ることはありませんでしたが、ウェザーニュースアプリでは雨雲の予測を表示させることが出来ています。これを救ったのはウェザーニュースのアプリユーザーからの天気投稿でした。

「雨雲レーダーにないのに降っている」

10時05分から雨雲が急に弱く表示されているのがわかる(アニメーションが表示されない場合はオリジナルサイトの記事からご覧ください)
SNSなどでは「雨雲レーダーかかってないのに雨降ってる」や「雨雲が存在しない」などの声が多くなり、実際の空模様と合わないという戸惑いの声がみられました。

ウェザーニュースではアプリのユーザーから天気の投稿を募集していて、今日11時から14時の間には1万通を超える投稿がありました。

これにより、ウェザーニュースのユーザーは周囲のユーザーからの雨の報告を確認することができ、雨雲アラームなどのサービスを問題なく受け取ることができました。

ユーザーの投稿を雨雲レーダーに反映

ウェザーニュースアプリのレーダータブでは雨雲の予測が反映された
ウェザーニュースでは通常であれば、気象庁のレーダー観測を元にした雨雲の予測を提供しています。しかし、レーダーに何も映っていない以上、正確な予測を提供することは出来ない状況でした。

そこで、「ユーザー投稿などを反映した解析値」を元にした雨雲の予測を提供することを決め、昼休み中に緊急リリースを行いました。これにより、目先の雨雲の予測がより実際に近いかたちで表示可能となりました。

気象庁の雨雲レーダーは万能ではない

気象庁HP 雨雲の動き 12時30分
今回、気象庁の東京レーダーが点検のため運用と停止していましたが、このようにメンテナンスのためにレーダーを停止することは頻繁にあり、主に雨の降らない日の日中に停止されます。
» 雨が降っているのにレーダーに雨雲が映っていないのはなぜ?

1つのレーダーが休止していても、通常であれば近隣のレーダーが補完することは可能で、気象庁HPではアメダス等の雨量計の観測値で補完したレーダー画像を見ることが出来るのですが、今日の場合は雨雲の高さが低かったことや、雨量計では強い雨が観測されていなかったことで、補完がうまくいっていなかった可能性が考えられます。

このような場合にも、ウェザーニュースアプリのような「人の目」を活かした天気予報は精度の低下が抑えられます。
» 27時間先までの雨雲レーダーをアプリで見る