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福岡・長崎・佐賀に特別警報発表中 総雨量は800mm超える

2021/08/14 06:00 ウェザーニュース

活発化した秋雨前線の影響で激しい雨が降り続き、西日本や東日本で大雨となっています。記録的な大雨となっている福岡県、長崎県、佐賀県には大雨特別警報が発表中です。

既に川の氾濫や土砂災害の発生しているところがありますが、今後さらに雨が降るため広範囲で災害が発生するおそれがあります。自分は大丈夫と過信せず、躊躇せず避難をするようにしてください。
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長崎県で降りはじめからの雨量が800mmを超える

秋雨前線に向かって南西から暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、大気の状態が不安定となり雨雲が発達しやすくなっています。

11日(水)から14日(土)4時までの期間雨量は、長崎県雲仙市の雲仙岳で844.5mmを観測。平地でも佐賀県の嬉野で773.0mm、佐賀で695.5mm、鳥栖で673.5mm、福岡県の大牟田で649.5mmなどといずれも記録的な大雨となっています。

気象衛星画像を見ると、東シナ海から非常に発達した雲が九州方面に連なっているのがわかり、まだ数時間以上は同じような状況が続くとみられます。

特別警報の発表されている九州北部では、特に今日の昼頃にかけては非常に激しい雨の降る状況が続くとみられます。今後雨量がさらに増えるため、経験したことのないような災害が発生するおそれがあります。
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来週にかけても予断を許さない状況 豪雨災害に厳重警戒

雨の特に激しい時間帯の予想
15日(日)は前線の位置が移動する可能性があり、強い雨の降る地域が変わる可能性があります。ただ、16日(月)からは前線が九州などで激しい雨の降るおそれがあります。

17日(火)朝までに新たに降ると予想される雨量は、九州北部や四国、近畿、東海などで300mm以上となり、局地的には500mm以上に達する見込みです。降り始めからの総雨量は多いところで1000mmを超えるおそれがあります。

湿った空気や風向などの条件が重なると「線状降水帯」と呼ばれる危険な雨雲の列が発生し、その場合は局地的に予想を上回るような大雨となる可能性があります。
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広範囲での重大な災害発生に最大限の警戒を

新たに降ると予想される雨量
各地で想定されている治水、治山などの対策の限界を超えてくる可能性があるため、2018年に発生した、いわゆる「西日本豪雨」などのような大規模な災害が複数の地域で発生することが懸念されます。

最新の気象情報や、自治体からの避難情報を小まめに確認し、逃げ遅れる前に危険な場所から避難をしてください。「自分は大丈夫」という心理が働きやすくなるため、避難の際は周囲の人とも声を掛け合い、遠方に住む家族などにも避難を呼びかけるなども有効です。

このほか、電車の運休や道路の通行止めなど、交通機関に大きな影響が出ています。社会的な影響が大きくなるため、様々な影響を想定しておいてください。
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