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九州で再び激しい雨に 明日にかけても大雨続き重大災害の発生に厳重警戒

2021/08/13 14:38 ウェザーニュース

今日13日(金)も秋雨前線は活溌な活動が続いています。九州の西の海上からは次々に発達した雨雲が進んできており、一旦は小康状態となっていた九州では午後になって再び雨が強まってきました。

今夜から明日14日(土)にかけても断続的に非常に激しい雨が降る見込みです。すでに記録的な雨が降って土砂災害が発生したり、氾濫した河川もありますので、厳重に警戒をしてください。
熊本県人吉市・球磨川の様子(13日(金)12時過ぎに撮影)

» 会員向け ピンポイント大雨影響予測

九州では観測史上1位の雨量をすでに更新

雨雲レーダー
午後になり長崎県から佐賀県、福岡県にかけて発達した雨雲の帯が見られます。14時までの1時間には長崎県西海市で51.0mmの非常に激しい雨、佐賀県嬉野市で27.5mmの強い雨を観測しています。

72時間の積算雨量は14時の時点で長崎県雲仙市・雲仙岳で781.5mmまで増加し、観測史上1位の記録を更新中です。雲仙岳の8月1か月の平年の雨量は314.4mmですので、すでにその2倍以上の雨が降っていることになります。
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来週にかけ長引く 豪雨災害に厳重警戒

17日(火)朝までの予想積算雨量
明日14日(土)までが一つの大雨の山で15日(日)は前線が本州の南に南下するため、雨が落ち着く予想です。このタイミングで改めて備えの確認や避難の検討などを行ってください。週明け16日(月)からは前線が北上し、雨が激しくなる見通しです。

17日(火)朝までに予想される雨量は、九州北部や四国、東海などで300mm以上、局地的には500mm以上に達します。降り始めからの総雨量は多いところで1000mmを超えるおそれがあります。

関東北部から東北南部も200mm以上の雨が降る見込みで、災害への備えが必要です。湿った空気や風向などの条件が重なると「線状降水帯」と呼ばれる危険な雨雲の列が発生し、その場合は局地的に予想を上回るような大雨となる可能性があります。
» 線状降水帯発生状況・気象予報士解説〔有料〕

広範囲での重大な災害発生に最大限の警戒を

各地で想定されている治水、治山などの対策の限界を超えてくる可能性があるため、2018年に発生した、いわゆる「西日本豪雨」などのような大規模な災害が複数の地域で発生することが懸念されます。

最新の気象情報や、自治体からの避難情報を小まめに確認し、逃げ遅れる前に危険な場所から避難が出来るように心構えを高めるようにしてください。「自分は大丈夫」という心理が働きやすくなるため、避難の際は周囲の人とも声を掛け合い、遠方に住む家族などにも避難を呼びかけるなども有効です。また、避難の際に新型コロナ対策用品もまとめておくと良さそうです。

このほか、電車の運休や道路の通行止めなど、交通機関に大きな影響の出るおそれもあります。社会的な影響が大きくなる懸念があるため、様々な影響を想定しておいてください。
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参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
熊本県人吉市の空さん