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九州から中国・四国で豪雨災害の危険性高い 広島県には大雨特別警報が発表中

2021/08/13 10:37 ウェザーニュース

今日13日(金)も秋雨前線の活動が非常に活発です。九州から中国・四国にかけては発達した雨雲が次々に流れ込んで、断続的に激しい雨が降っています。すでに記録的な雨量になっている所があり、週末から週明けにかけても大雨が続くことから、重大な災害につながる懸念があります。

広島県には大雨特別警報が発表されており、少しでも危険を感じた場合は躊躇せずに避難を行うようにしてください。
» 会員向け ピンポイント大雨影響予測

九州では観測史上1位の雨量をすでに更新

一旦、雨が小康状態になっていた九州に再び発達した雨雲が広がってきました。中国・四国にも活溌な雨雲が見られ、10時までの1時間の雨量は、高知県香美市・繁藤で40.0mm、広島県東広島市で39.0mm、福岡県八女市・黒木で38.0mmの激しい雨を観測しています。

72時間の積算雨量は10時の時点で長崎県雲仙市・雲仙岳で739.0mm、島原市で554.5mm、佐賀県佐賀市で430.5mm、熊本県熊本市で409.0mmに達し、雲仙岳や島原市は観測史上1位の記録を更新する大雨です。

大雨になっている地域では土砂災害の危険度が非常に高く、河川の水位も上昇しています。
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来週にかけ長引く 豪雨災害に厳重警戒

16日(月)夜までの予想積算雨量
週末から週明けにかけても活発な前線が日本付近に停滞するため、大雨が続く見込みです。16日(月)夜までに九州や中国・四国、東海の山沿いなど広範囲で300mm以上、局地的には500mm以上の雨が予想され、降り始めからの総雨量は多いところで1000mmを超えるおそれがあります。

また、湿った空気や風向などの条件が重なると「線状降水帯」と呼ばれる危険な雨雲の列が発生することがあり、局地的に予想を上回るような大雨となるおそれもあります。
» 線状降水帯発生状況・気象予報士解説〔有料〕
観測史上1位の72時間雨量と予想雨量の比較
この図は、各アメダス地点の観測史上1位の72時間雨量記録と、13日(金)9時〜16日(月)9時の72時間予想雨量を比較したものです。各地点の1位の値を100%として、予想雨量が何%に相当するかを示しているため、赤色の100%以上となっている地点は観測史上1位の雨量を超える予想だと読み取ることが出来ます。

九州や中国地方、東海、北陸などで、観測史上1位と同等程度かそれ以上の大雨が予測されています。

各地で想定されている治水、治山などの対策の限界を超えてくる可能性があるため、いわゆる「西日本豪雨」などのような大規模な災害が複数の地域で発生してもおかしくないと考えられます。

最新の気象情報や、自治体からの避難情報を小まめに確認し、逃げ遅れる前に危険な場所から避難が出来るように心構えを高めるようにしてください。「自分は大丈夫」という心理が働きやすくなるため、避難の際は周囲の人とも声を掛け合い、遠方に住む家族などにも避難を呼びかけるなども有効です。また、避難の際に新型コロナ対策用品もまとめておくと良さそうです。

このほか、電車の運休や道路の通行止めなど、交通機関に大きな影響の出るおそれもあります。社会的な影響が大きくなる懸念があるため、様々な影響を想定しておいてください。
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