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長崎・雲仙岳で24時間雨量500mm超観測 総雨量は1000mm達するおそれ

2021/08/13 05:32 ウェザーニュース

活発化した秋雨前線の影響で激しい雨が降り、長崎・雲仙岳では24時間雨量が500mmを超えて、観測史上1位の値を更新する前例のない大雨となっています。

西日本や東日本では来週にかけて断続的に激しい雨が降るおそれがあるため、大規模で多発的な土砂災害や、河川の氾濫、浸水などに厳重に警戒してください。「想定外」が起こりうる状況ですので、自分は大丈夫と過信せず、早めの避難をお願いします。
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九州では既に雨量600mm超 土砂災害に警戒

秋雨前線に向かって南西から暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、大気の状態が不安定となり雨雲が発達しやすくなっています。この影響で非常に激しい雨が降り、長崎県の雲仙岳では13日(金)5時までの24時間に547.5mmの雨量を観測しました。これは同地点での観測史上1位の値を更新する記録で、前例のない大雨といえます。

また、11日(水)から断続的に激しい雨が降っているため、総雨量は600mmを超えているところがあります。

11日(水)から13日(金)4時までの期間雨量は、長崎県雲仙市の雲仙岳で670.0mmを観測。主要地点では大牟田で516.0mm、佐賀で405.5mmなどとなっています。

多雨地域といえど土砂災害や浸水害の危険性は高まっているため、危険な場所から早めに避難するようにしてください。
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来週にかけ長引く 豪雨災害に厳重警戒

19日(木)にかけて新たに降ると予想される雨量
来週の中頃にかけて、活発化した前線の停滞する状況が続くため、降り始めからの総雨量は多いところで1000mmを超えるおそれがあります。

また、湿った空気や風向などの条件が重なると「線状降水帯」と呼ばれる危険な雨雲の列が発生することがあり、局地的に予想を上回るような大雨となるおそれもあります。
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観測史上1位の72時間雨量と予想雨量の比較
この図は、各アメダス地点の観測史上1位の72時間雨量記録と、13日(金)9時〜16日(月)9時の72時間予想雨量を比較したものです。各地点の1位の値を100%として、予想雨量が何%に相当するかを示しているため、赤色の100%以上となっている地点は観測史上1位の雨量を超える予想だと読み取ることが出来ます。

九州や中国地方、東海、北陸などで、観測史上1位と同等程度かそれ以上の大雨が予測されています。

各地で想定されている治水、治山などの対策の限界を超えてくる可能性があるため、いわゆる「西日本豪雨」などのような大規模な災害が複数の地域で発生してもおかしくないと考えられます。

最新の気象情報や、自治体からの避難情報を小まめに確認し、逃げ遅れる前に危険な場所から避難が出来るように心構えを高めるようにしてください。「自分は大丈夫」という心理が働きやすくなるため、避難の際は周囲の人とも声を掛け合い、遠方に住む家族などにも避難を呼びかけるなども有効です。また、避難の際に新型コロナ対策用品もまとめておくと良さそうです。

このほか、電車の運休や道路の通行止めなど、交通機関に大きな影響の出るおそれもあります。社会的な影響が大きくなる懸念があるため、様々な影響を想定しておいてください。
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