facebook line twitter mail

未明に初の「顕著な大雨に関する情報」発表 沖縄で線状降水帯を解析

2021/06/29 10:54 ウェザーニュース

沖縄気象台は今日6月29日(火)未明に「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。全国初の発表です。
沖縄では梅雨前線の南下に伴って昨夜から雨が強まっています。沖縄気象台は29日(火)2時49分に、沖縄本島北部で線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いているとして、「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。

「線状降水帯」というキーワードを使って危機感を伝える「顕著な大雨に関する情報」が発表されるのは、今月17日に運用が開始されてから全国で初めてです。
» 関連記事 沖縄本島北部で線状降水帯による大雨

顕著な大雨に関する情報とは?

顕著な大雨に関する情報の発表目安
気象庁は今年2021年6月17日から「顕著な大雨に関する情報」の運用を開始しました。近年の「線状降水帯」による大雨災害に対する警戒を呼びかける情報です。

顕著な大雨に関する情報は以下の4点を満たした場合に発表されます。
(1)解析雨量で前3時間積算降水量100mm以上の分布域が500平方km以上
(2)分布域の形状が線状
(3)分布域内の前3時間積算降水量の最大値が150mm以上
(4)土砂災害警戒情報基準を実況で超過且つ大雨特別警報の土壌雨量指数基準の8割を超過
   または洪水危険度が実況で警報基準を大きく超過

この情報は警戒レベル4相当時に発表されます。発表時にはすでに災害発生の危険性が高まっている状況で、甚大な災害につながるリスクがあると考えられます。

自治体からの情報に従い、速やかに避難や安全確保の対応を取る必要があります。雨が激しかったり、近くの川が増水しているなど避難できない状況にある場合は無理に行動せず、2階以上または崖と反対側の部屋に退避してください。

線状降水帯による災害は近年多発

線状降水帯による災害事例
最近10年だけでも線状降水帯による災害は多数発生しています。近い所では去年7月、熊本県球磨川が氾濫した「令和2年7月豪雨」、2017年には福岡県朝倉市などで集中的に雨が降った「平成29年7月九州北部豪雨」、2014年には広島県で多発的に土砂災害が発生した「平成26年8月豪雨」が代表的です。

特に梅雨の後半に当たる7月に発生しているケースが多く、これからが最も警戒が必要なシーズンになります。線状降水帯の発生による「顕著な大雨に関する情報」は最終警告とも言える情報です。様々なしっかりと情報を確認し、早めの避難や対策を心がけるようにしてください。
>>線状降水帯の発生状況 専門家解説〔会員メニュー〕