天気予報の当たり・外れの感じ方
天気予報が当たった、外れたというのは、その人その人の感じ方で変わってきてしまうかもしれません。
例えば、布団を外に干している方は雨が降るかどうかが気になるポイントであり、太陽光発電をされているご家庭では、雨が降るかどうかよりも日差しが届くかどうかの方が重要になりそうです。
例えば、布団を外に干している方は雨が降るかどうかが気になるポイントであり、太陽光発電をされているご家庭では、雨が降るかどうかよりも日差しが届くかどうかの方が重要になりそうです。
二つの精度 「降水捕捉率」と「適中率」
ここでは、日常生活への影響度が大きいと考えられる降水(雨や雪)について、精度を評価する二つの指標「降水捕捉率」と「適中率」を紹介します。
天気予報に対して一番多く耳にする"はずれ"の実態は、「雨の予報がなかったのに雨が降ってきた」というもの。傘を持っていなかったので移動中に服が濡れてしまった、外に干していた洗濯物を慌てて取り込んだなどというケースがあり、そのような事態に対する評価として『降水捕捉率』というものがあります。
降水捕捉率は、実際に雨が降ったところに対して、雨の予報が発表されていたかどうかを示したものです。
気象庁ホームページに掲載されている2021年3月の降水捕捉率は86%でしたが、ウェザーニュースの降水捕捉率を同じ方法(※1)で求めたところ、気象庁より3ポイント高くなりました。
>>2021年1月~3月の降水捕捉率
【降水捕捉率】降水(雨や雪)の見逃しの少なさを評価
天気予報に対して一番多く耳にする"はずれ"の実態は、「雨の予報がなかったのに雨が降ってきた」というもの。傘を持っていなかったので移動中に服が濡れてしまった、外に干していた洗濯物を慌てて取り込んだなどというケースがあり、そのような事態に対する評価として『降水捕捉率』というものがあります。
降水捕捉率は、実際に雨が降ったところに対して、雨の予報が発表されていたかどうかを示したものです。
気象庁ホームページに掲載されている2021年3月の降水捕捉率は86%でしたが、ウェザーニュースの降水捕捉率を同じ方法(※1)で求めたところ、気象庁より3ポイント高くなりました。
>>2021年1月~3月の降水捕捉率
【適中率】雨が降る予報の精度+降らない予報の精度
雨が降る予報の時と雨が降らない予報の時と、両方への精度を組み合わせたものに『適中率』というものがあります。
この適中率とは、予報全体を対象として、
・雨が降る予報のところは、雨が降ったら正解
・雨が降らない予報では、雨が降らなかったら正解
というものです。
こちらも気象庁ホームページに掲載されている方法(※1)にしたがって、2021年3月におけるウェザーニュースの適中率を求めたところ91%となり、気象庁の90%を上回る結果となりました。
>>ウェザーニュース-2021年3月の適中率評価データ
(※1)気象庁の評価方法に準拠し、朝5時に発表された当日の天気マークを対象としています。
対象地点は発表官署の所在している一次細分区域内のアメダスで、1日の積算降水量が1.0mm以上となった場合を「降水あり(雨雪)」としています。
降水捕捉率と適中率 それぞれの特徴
今回紹介した「降水捕捉率」と「適中率」を見ると、雨以外の事例についても評価をしているので、適中率の方が総合的な指標のようにも思えますが、一概にそうとは言えません。
日本においては、雨や雪が降る日と降らない日を比較すると、降らない日(晴れやくもりの日)の方が多く、エリアや季節によっては雨や雪の日が非常に少ないことがあります。そのため、雨や雪が降らない予報を毎回発表した場合でも、適中率が大きく下がることなく、高い精度となってしまいます。
一方で、降水捕捉率も「雨が降ったところに対して、雨の予報を出していたかどうか」なので、雨が降らなかったところの予報については、考慮されていません。それゆえに、あらかじめ雨の予報を多く出しておけば、当たる確率が高くなるということになってしまいます。
このようなどちらかに偏った予報を発表していては、天気予報が意味のないものになってしまいます。雨が降りそうなときはしっかりと雨が降る予報を発表し、雨が降りそうにない時は晴れやくもりの予報を発表するようにしないといけません。
そのため、複数の違う側面を持った指標で評価をして、その予報に偏りがない状態で精度を高めていくことが望ましいと考えています。
日本においては、雨や雪が降る日と降らない日を比較すると、降らない日(晴れやくもりの日)の方が多く、エリアや季節によっては雨や雪の日が非常に少ないことがあります。そのため、雨や雪が降らない予報を毎回発表した場合でも、適中率が大きく下がることなく、高い精度となってしまいます。
一方で、降水捕捉率も「雨が降ったところに対して、雨の予報を出していたかどうか」なので、雨が降らなかったところの予報については、考慮されていません。それゆえに、あらかじめ雨の予報を多く出しておけば、当たる確率が高くなるということになってしまいます。
このようなどちらかに偏った予報を発表していては、天気予報が意味のないものになってしまいます。雨が降りそうなときはしっかりと雨が降る予報を発表し、雨が降りそうにない時は晴れやくもりの予報を発表するようにしないといけません。
そのため、複数の違う側面を持った指標で評価をして、その予報に偏りがない状態で精度を高めていくことが望ましいと考えています。
2021年3月を振り返って
2021年3月は、高気圧や低気圧の動きが速く、天気は周期的に変化をしたため、降水件数も多い日と少ない日の差が大きくなりました。特に降水件数が少ない日は降水を確実に捉えるとともに、降水範囲を広く予想しすぎたことによる空振りも抑える必要がありました。
このように日々の降水パターンによって、見逃しと空振りのバランスをとりながらの予報となりましたが、これまで蓄積された知見と予測モデルの学習効果から、降水捕捉率・適中率ともに高い精度を維持することができました。
>>【予報精度向上への取り組み】予報のはずれを感じたらこちらへ報告
このように日々の降水パターンによって、見逃しと空振りのバランスをとりながらの予報となりましたが、これまで蓄積された知見と予測モデルの学習効果から、降水捕捉率・適中率ともに高い精度を維持することができました。
>>【予報精度向上への取り組み】予報のはずれを感じたらこちらへ報告
ウェザーニュース予報センター 気象予報士。千葉県旭市出身 自治体防災担当職員から転職し入社28年目。予報精度改善チームで予報業務および精度検証・改善を行っている。
参考資料など
降水捕捉率 検証方法説明(気象庁ホームページ) https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/kensho/explanation.html
気象庁 天気予報検証結果 https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/kensho/score_f.html
気象庁 天気予報検証結果 https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/kensho/score_f.html