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トラックやバスは溝が浅くなった冬用タイヤ使用禁止 乗用車は?

2021/02/15 06:08 ウェザーニュース

国土交通省はこのほど、バス・トラック運送事業者は雪道において適正な冬用(スタッドレス)タイヤを使用して安全性を確認しなければならないことをルール化しました。

昨年末以降の大雪により、関越道や北陸道において多くの大型車両が路上に滞留する事案が発生したことを踏まえ、規則を改正したのです(1月26日公布・即日施行)。

溝の深さが50%まですり減ったタイヤはNG

今回のルール化では、貨物自動車は雪道において、タイヤ製作者が推奨する使用限度を超えた冬用タイヤでの走行を禁止にしました。溝の深さが新品時の50%まですり減ると「プラットホーム」というサインが現れ、これが使用限度の目安になります。つまり、プラットホームが露出したタイヤは雪道では使用してはいけない、ということです。

運行管理者は、雪道を走行する自動車について、点呼の際に上記事項を確認しなければなりません。乗合バスや貸切バスにおいても同様です。

乗用車も同じこと、プラットホームが露出すると冬用タイヤの効き目なし!

今回の国交省による改正は、バス・トラック運送事業者に対するものですが、北海道・東北などの一部の地域では、すり減った冬タイヤで雪道を走ることは違反となります。

例えば宮城県の公安委員会が道路交通法に基づき制定した公安委員会遵守事項は、「タイヤに鎖又は全車輪に滑り止めの性能を有するタイヤ(接地面の突出部が50パーセント以上摩耗していないものに限る。)を取り付けるなど滑り止めの方法を講じないで、三輪以上の自動車(側車付きの二輪の自動車及び小型特殊自動車を除く。)を運転しないこと」としているなど、冬タイヤのすり減り具合について細則を設けている地域があるのです。

カー用品店オートバックスを展開するオートバックスセブンIR・広報部の鈴木政和さんは、「使用限度を示すプラットホームの存在については知らない方も多いと思います」と話します。
プラットホームについて鈴木さんに解説してもらいました。「タイヤの側面には矢印(↑)マークがついていて、その延長上の接地面の溝の中にある小さな盛り上がった部分がプラットホームです。このプラットホームが露出してくると、冬用タイヤとしての機能を発揮しなくなります。わかりにくければディーラーやカー用品店などでタイヤの溝をチェックしてもらってください」(鈴木さん)

バス・トラック運送事業者だけでなく、乗用車でも同じような確認が求められます。

タイヤの硬さもチェックが必要

ただし、溝がまだあるからと言って安心はできません。

「スタッドレスタイヤはゴムをやわらかくして雪や氷の凹凸路面に密着し、滑りにくくしています。しかし経年変化によってタイヤは硬くなっていき、グリップ力が低下するので、買ってから4~5年経過する前に新品に替えることをおすすめします」(鈴木さん)

冬用タイヤを装着しているから大丈夫と過信は禁物です。降雪時にスリップしないためには、これを機に冬用タイヤを点検してみてはいかがでしょうか。

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